(英文)メロペネムの薬動力学的至適投与法を設計するためのモンテカルロシミュレーションの利用
Use of Monte Carlo Simulation to Design an Optimized Pharmacodynamic Dosing Strategy for Meropenem
出典
J.CLIN.PHARMACOL.,43巻,P1116~1123,年;2003
抄録
【目的】
 メロペネムの点滴時間を3時間以上に延長すると、投与間隔に対する血中薬物濃度が最小発育阻止濃度(MIC)を上回る時間の割合が増加し、それにより、安定性に関する制約を受けたまま、本剤の薬動力学を最大化させることができる。モンテカルロシミュレーションの手法を用い、腸内細菌科、アシネトバクター属および緑膿菌の感染者集団に対するメロペネムの数種類の持続点滴(PI)処方の薬動力学的目標達成率を割り出し、従来の30分間点滴(TI)処方と比較した。

【方法】
 被験者10,000例について、メロペネム1000mgを8時間毎にTI投与(1000mg TI q8h)、2000mg TI q8h、500mg PI q8h、1000mg PI q12h、1000mg PI q8h、2000mg PI q12hおよび2000mg PI q8hした場合の、投与間隔に対する血中薬物濃度がMICを上回る時間の割合(%T>MIC)をそれぞれ推定した。薬物動態学的パラメータの変動およびMIC分布はそれぞれ健常人ボランティアを用いた試験およびMYSTICサーベイランスプログラムの結果から得た。

【結果】
 腸内細菌科の感染者集団では、十分に静菌的および殺菌的な曝露時間を達成する確率(それぞれ30% T>MICおよび50% T>MIC)は全ての投与法で高かった。アシネトバクター属および緑膿菌については、2000mg PI q8hが最も高い目標達成率を示した。腸内細菌科による軽度~中等度の感染症に対しては、500mg PI q8hまたは1000mg PI q12h の持続点滴が従来の30分点滴と同等の目標達成率を示すと思われる。それでいて、24時間当たりの薬剤投与量は30分点滴よりも少なくて済む。恐らくアシネトバクター属または緑膿菌により引き起こされるより重篤な感染症に対しては、これらの病原菌に対する高い殺菌的目標達成率ゆえに2000mg PI q8hが推奨される。

【結論】
 臨床試験においてこれらの推奨投与法を確認する更なる試験が必要と考えられる。