PK/PD理論の応用と限界
出典
臨床と微生物,36巻,4号,P291~297,年;2009
抄録
PK/PD(pharmacokinetics/pharmacodynamics)理論を臨床応用することは、抗菌薬および抗真菌薬の有効性を高める、有害事象を少なくする、または防止する、薬剤耐性菌・耐性真菌の発現を抑制する、医療経済性に優れた投与法を行うなどのメリットがある。抗菌薬および抗真菌薬のPK/PD理論の臨床応用の中で、臨床現場で最も期待されているのはPK/PDブレイクポイントの設定と、それに照準をあわせた投与設計である。実際に、エンピリック治療を施行するにあたって抗微生物薬の投与方法は、PK/PD理論に基づいて科学的に設計されるようになってきた。しかしながら、「目標となるパラメータの種類は各感染症、各臓器、各菌種によって変更する必要はないか」「各種パラメータの目標数値は、各感染症、各臓器、各菌種によって変更する必要はないか」「血清中濃度だけではなく組織内濃度など薬剤の組織移行性を考慮する必要はないか」など以前として検討の余地はある。今後、抗菌薬・抗真菌薬のPK/PD理論に関する臨床研究を進展させていく必要がある。