ツイミーグ一問一答 第6回 ツイミーグ投与時の乳酸値、ツイミーグの血中濃度

ツイミーグ 一問一答 第6回 ツイミーグ投与時の乳酸値、ツイミーグの血中濃度

今回は、ツイミーグ投与時の乳酸値、ならびにツイミーグの血中濃度について、4つのQ&A形式でご紹介します。

それぞれのQについて、詳しくお答えする1~2分の動画もありますので、ぜひご覧ください。


Q. ツイミーグ投与時の乳酸値やpHへの影響を検討したデータはありますか?

乳酸アシドーシスを起こしやすい動物モデルを用いて検討した結果をご紹介します。

開胸手術下の健常犬を用いた検討では、イメグリミン1,000mg/kgの投与で乳酸濃度の有意な上昇が認められたものの、動脈血pHの有意な低下は認められませんでした。

重症腎不全ラットを用いた検討では、イメグリミン投与による乳酸濃度およびpHの有意な変化は認められませんでした。

なお、承認時までに実施した臨床試験での乳酸アシドーシスのリスク評価には限界があったため、医薬品リスク管理計画において、「乳酸アシドーシス」を重要な潜在的リスクとし、モニタリングを計画・実施しています。

動画ではメトホルミン投与時のデータもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

医薬品リスク管理計画において、乳酸アシドーシスは重要な潜在的リスクとされています。


5. 効能又は効果に関する注意(抜粋)
5.2 腎機能障害のある患者では、腎機能障害の程度に応じて腎臓からの排泄が遅延し、本剤の血中濃度が上昇する。中等度又は重度(eGFRが45mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施しておらず、投与は推奨されない。[8.1、9.2.1、16.6.1 参照]
8. 重要な基本的注意(抜粋)
8.1 腎機能障害を有する場合、本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。[5.2、9.2.1、16.6.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 eGFRが45mL/min/1.73m2未満の腎機能障害患者(透析患者を含む) 投与は推奨されない。本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。[5.2、8.1、16.6.1 参照]


Q. ツイミーグの呼吸鎖複合体Ⅰ活性への影響および
  mGPDH活性への影響を検討したデータはありますか?

イメグリミンはミトコンドリアにおいて、呼吸鎖複合体Ⅰ(CI)の競合阻害により活性酸素の産生を低下させると考えられていますが、その阻害作用は部分的で、メトホルミンとは異なります。

マウスを用いてCI活性への影響を検討した結果、高脂肪高スクロース食(HFHSD)を与えたマウスにおいて、イメグリミンは酸素消費量(State3)およびCI活性を減少させましたが、その減少幅はメトホルミンより小さく、イメグリミンのCI阻害作用はメトホルミンより有意に低いことが示唆されました。

また、イメグリミンはメトホルミンとは異なり、mGPDHに対する阻害作用は示しません。

マウスおよびラット分離肝細胞を用いてmGPDH活性への影響を検討した結果、HFHSDマウスにおいて、メトホルミンはmGPDH活性を有意に減少させました。また、ラット分離肝ミトコンドリアにおいて、メトホルミン(250μmol/L)存在下ではmGPDH活性が有意に減少しましたが、イメグリミン存在下では有意差は認められませんでした。

動画では各データをご紹介していますので、ぜひご覧ください。


Q. ツイミーグを空腹時および食後に服用した際の血中濃度を検討したデータはありますか?

健康成人男性12例にイメグリミン1,000mgを空腹時および食後に単回経口投与した結果をご紹介します。

血漿中濃度は、空腹時では投与3時間後、食後では投与4時間後に最高値に達しました(いずれも中央値)。

臨床的に意義のある食事の影響は認められませんでした。

動画では血漿中濃度推移ならびに薬物動態パラメータをご紹介していますので、ぜひご覧ください。

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。


Q. ツイミーグを特定の背景を有する患者さんへ投与した際の血中濃度を検討したデータはありますか?

腎機能障害を有する人での検討として、軽度~重度の腎機能障害を有する被験者の血漿中薬物動態パラメータを腎機能正常被験者と比較したデータがあります。

また、肝機能障害を有する人での検討として、肝機能正常被験者7例および中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者7例にイメグリミン1,000mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータを解析した結果があります。

高齢者における検討としては、国内後期第2相および第3相試験でイメグリミン1,000mgを1日2回反復経口投与した成人2型糖尿病患者を対象にポピュレーションPK解析を行い、血漿中イメグリミン(フリー体)の定常状態での1日あたりのAUC(AUC24,ss)が推定されています。

それぞれの結果の詳細は動画をご覧ください。

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。
8. 重要な基本的注意(抜粋)
8.1 腎機能障害を有する場合、本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。 [5.2、9.2.1、16.6.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 eGFRが45mL/min/1.73m2未満の腎機能障害患者(透析患者を含む)
投与は推奨されない。本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。[5.2、8.1、16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
また、重度(Child-Pugh 分類C)の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

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