ツイミーグ ツイン メッセージ『作用機序』×『単独療法臨床試験』

ツイミーグ ツイン メッセージ 作用機序×単独療法臨床試験

2021年6月、従来と異なる作用機序の経口血糖降下薬、「ツイミーグ」が世界に先駆けて、我が国で製造販売承認を取得しました。
ツイミーグは、既存の経口血糖降下薬とは異なる作用機序をもち、日本人における有効性・安全性が検討されています。
今回は、ツイミーグのユニークな作用機序と、単独投与の国内第3相試験成績について、ご紹介いたします。

ツイミーグの作用機序

2型糖尿病には、インスリン抵抗性増大とインスリン分泌能低下が、患者さんによって様々な割合で関与しています。
先生方は、患者さん個々の病態を考慮しながら薬剤を選択していらっしゃると思いますが、既存の薬剤は、インスリン分泌促進系とインスリン分泌非促進系のいずれかに分類されるものしかありませんでした。

ツイミーグは、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)という2つの血糖降下メカニズムをもつ、新しいタイプの経口血糖降下薬です。

ツイミーグの推定される作用機序をご紹介します。
ツイミーグは、NAD の合成に関与するNAMPT遺伝子発現増加と、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰの競合阻害という2つの作用を介して、血糖降下作用を現します。
まず、ツイミーグは、膵β細胞において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進を示します。肝臓では糖新生抑制を示し、骨格筋では糖取り込み能の改善が認められています。これらの作用は、ミトコンドリアへの作用を介していると推定されています。

ツイミーグの単独療法臨床試験

ツイミーグ単独療法の国内第3相試験についてご紹介します。
対象は食事・運動療法以外の糖尿病未治療または他の経口血糖降下薬の単独療法で、血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者213例です。プラセボまたはツイミーグ1回1,000mg、1日2回のいずれかに無作為で割り付け、24週間投与しました。

HbA1cの変化量

投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で0.15%、ツイミーグ群で-0.72%であり、ツイミーグ群とプラセボ群との差[最小二乗平均値(95%信頼区間)]は、−0.87%(−1.041~−0.691)であり、プラセボ群に対する優越性が検証されました(p<0.0001、MMRM)。

年齢別の部分集団解析では、投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群の65歳未満で0.23%、65歳以上で0.02%であり、ツイミーグ群の65歳未満で-0.70%、65歳以上で-0.75%であり、65歳未満と65歳以上ともにプラセボ群と比較して有意な改善がみられました(p<0.0001、MMRM)。

安全性

副作用は、プラセボ群で6.5%、ツイミーグ群で4.7%に認められました。主なものは、ツイミーグ群が低血糖2例(1.9%)、プラセボ群が高血糖2例(1.9%)でした。低血糖(症候性低血糖かつ/または血糖値70mg/dL未満)は、プラセボ群で1例(0.9%)、ツイミーグ群で2例(1.9%)に認められましたが、いずれも軽度でした。
本試験において、死亡および重篤な副作用は認められませんでした。治験薬の投与中止に至った副作用は、プラセボ群で2例に高血糖が、ツイミーグ群で1例に下痢および嘔吐が認められました。

まとめ

日本人の2型糖尿病は、軽度のインスリン抵抗性によって、インスリン分泌不全を生じるとされています。1)
ツイミーグは、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)を有する既存の血糖降下薬とは異なる機序をもつ薬剤です。

1)Møller JB, et al. J Clin Endocrinol Metab 2014; 99: 4273

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