Vol.2 現場の立場から(1)患者さんに寄り添い、感情を共有し、その“認識”をしっかり理解し支える

担当制とプライバシー確保の環境を整え、患者さんの“思い”や“不安”を傾聴

栗原 正亮

有限会社みわ薬局/代表取締役

1995年に大学卒業後、精神科救急医療施設・草津病院に入職、薬剤課長を経て、2011年に「こごみ薬局」を開業。現在、栗原鑑三氏(弟)が中心に運営する「みわ薬局」を含む有限会社みわ薬局代表取締役。広島市薬剤師会理事、広島県薬剤師会代議員、学校薬剤師、広島県病院薬剤師会精神科病院業務検討委員会委員、広島日赤看護大学非常勤講師、日本精神薬学会地域医療連携推進委員会委員、広島市社会福祉審議会臨時委員。

栗原 鑑三

みわ薬局/精神科薬物療法認定薬剤師

大学卒業後、神戸市内の薬局に勤務。その後、草津病院に入職。こごみ薬局での勤務を経て、2019年から耳鼻咽喉科、一般内科などを中心とするみわ薬局を運営。2016年には日本病院薬剤師会「精神科薬物療法認定薬剤師」を取得。糖尿病療養指導士、学校薬剤師、公認スポーツファーマシスト。2021年に県立広島大学大学院経営研究科修了(MBA取得)。

有限会社みわ薬局代表取締役の栗原正亮氏は、大学卒業後、多様な業務に関わることが可能だった地元広島の草津病院に入職。その後、2011年に同院隣接地に「こごみ薬局」を開設しました。正亮氏は薬剤師として、また精神科に特化した薬局の経営者として、「患者さんの心配事に対応できる体制づくり」に努めています。統合失調症、神経症性障害、気分障害、認知症など多様な精神疾患の患者さんに対し、主治医、訪問看護師、地域包括支援センターなど幅広い連携の中で、一部在宅医療にも取り組んでいます。

一方、地域薬局を運営する弟の栗原鑑三氏は、食生活の乱れを一つの切り口に、またSNSも活用して、投薬時に捉われないコミュニケーションを充実し“涵養指導”をめざしています。

【Point1、2】では正亮氏の精神科特化型薬局としての介入事例を含めた取り組みを、【Point3】では、鑑三氏の地域薬局ならではの患者対応、工夫などについてご紹介します。

POINT.1

とにかく話を聴き、服薬状況を把握し、しっかり薬歴を取ることが大切

POINT.2

“担当制”と先進音響機器による安心感のある環境で丁寧に傾聴

POINT.3

大切なことは「患者さんの気持ちを楽にする」メリハリある服薬指導