ロナセンテープクイズ 第1回

世界初の経皮吸収型抗精神病薬ロナセンテープの特徴とは

クイズ1

ブロナンセリンは、その受容体結合特性から何と呼ばれているでしょうか?

  1. SDA(セロトニン・ドパミン・アンタゴニスト)
  2. MARTA(多元受容体作用抗精神病薬)
  3. DSA(ドパミン・セロトニン・アンタゴニスト)
  4. DSS(ドパミン・システムスタビライザー)
  5. SDAM(セロトニン・ドパミン・アクティビティモジュレーター)

クイズ1の正解と解説開く

正解は 3.DSA(ドパミン・セロトニン・アンタゴニスト)

<解説>

ブロナンセリンの各種受容体に対する親和性の割合はご覧のとおりで、セロトニン5-HT2A受容体に比べ、ドパミンD2受容体への高い親和性を有することからDSAと呼ばれています。

クイズ2

経皮吸収型製剤の臨床上における利点として、以下の選択肢で最も正しいのは次のうちどれでしょうか?

  1. 長時間、一定した薬物血中濃度が得られる
  2. 消化管吸収の影響や肝臓での代謝による初回通過効果を受けないため、薬物のバイオアベイラビリティを高めることができる
  3. 服薬有無を視認できるためアドヒアランスの向上につながる
  4. 上記すべて

クイズ2の正解と解説開く

正解は 4.上記すべて

<解説>

ロナセンテープは、世界初の経皮吸収型抗精神病薬です。経皮吸収型製剤は経口薬に比べて、長時間に渡り、一定した薬物血中濃度が得られることが利点のひとつです。また、初回通過効果を受けないため、薬物のバイオアベイラビリティを高めることができる、周囲の方が患者さんの服薬状況を視覚的に確認できるため、アドヒアランスの向上につながるという利点もあります。
経口剤および経皮吸収型製剤投与後の薬物血中濃度の推移はご覧のイメージで、経皮吸収型製剤の血中濃度は、経口剤のような服薬直後の一時的な血中濃度の上昇がなく、緩やかに上昇します。薬物は持続的に吸収され続けるため、長時間、有効血中濃度を維持できます。

クイズ3

ロナセンテープの国際共同第3相試験(検証的試験)では、成人の統合失調症患者を対象に、プラセボに対するロナセンテープ40mg/日および80mg/日の有効性および安全性が検討されました。本試験の結果として、( ① )~( ④ )に当てはまる正しい組み合わせは次のうちどれでしょうか?

「投与6週時のPANSS合計スコア変化量のプラセボ群との差は、40mg群では( ① )、80mg群では( ② )で、40mg群、80mg群のいずれもプラセボ群に対する優越性が検証された。また、ベースラインからのPANSS合計スコア変化量の推移は、40mg群では( ③ )週時から、80mg群では( ④ )週時から、多重性の調整をしない探索的な検定でプラセボ群に対する有意差が認められた」

  1. ① -5.6 ② -10.4 ③ 2 ④ 1
  2. ① -2.8 ② -5.2 ③ 4 ④ 2
  3. ① -5.6 ② -10.4 ③ 2 ④ 2
  4. ① -2.8 ② -5.2 ③ 4 ④ 4

クイズ3の正解と解説開く

正解は 1.① -5.6 ② -10.4 ③ 2 ④ 1

<解説>

ロナセンテープの国際共同第3相試験(検証的試験)では、投与6週時のPANSS合計スコア変化量のプラセボ群との差は、40mg群では-5.6、80mg群では-10.4で、40mg群、80mg群のいずれもプラセボ群に対する優越性が検証され、急性期の統合失調症患者でのロナセンテープ40~80mg/日の有効性が確認されました。
二重盲検治療期におけるベースラインからのPANSS合計スコア変化量の推移は、40mg群では2週時から、80mg群では1週時から、多重性の調整をしない探索的な検定でプラセボ群に対する有意差が認められました。

クイズ4

ロナセンテープの国際共同第3相試験(検証的試験)における安全性に関する記述として、正しいのはどれでしょうか?

  1. 臨床検査値異常を含む副作用発現割合は、プラセボ群で30.5%(58/190例)、ロナセンテープ40mg群で35.2%(69/196例)、80mg群で42.3%(82/194例)であった
  2. 投与中止に至った有害事象は、プラセボ群17例、40mg群16例、80mg群11例に認められた
  3. ロナセンテープの主な副作用は、40mg群ではアカシジア5.6%(11/196例)、適用部位そう痒感5.1%(10例)、適用部位紅斑4.6%(9例)、振戦3.1%(6例)、80mg群ではアカシジア9.3%(18/194例)、適用部位紅斑8.8%(17例)、振戦7.7%(15例)、適用部位そう痒感7.2%(14例)などであった
  4. いずれも正しい

クイズ4の正解と解説開く

正解は 4.いずれも正しい

<解説>

二重盲検治療期における臨床検査値異常を含む副作用発現割合は、プラセボ群30.5%(58/190例)、40mg群35.2%(69/196例)、80mg群42.3%(82/194例)でした。主な副作用はプラセボ群では体重増加2.6%(5/190例)、傾眠2.1%(4例)、40mg群ではアカシジア5.6%(11/196例)、適用部位そう痒感5.1%(10例)、適用部位紅斑4.6%(9例)、振戦3.1%(6例)、80mg群ではアカシジア9.3%(18/194例)、適用部位紅斑8.8%(17例)、振戦7.7%(15例)、適用部位そう痒感7.2%(14例)などでした。
死亡を含む重篤な有害事象は、プラセボ群9例(4.7%)、40mg群8例(4.1%)、80mg群10例(5.2%)に発現しました。そのうち、80mg群の1例は急性心筋梗塞により死亡に至りましたが、試験薬との因果関係は否定されました。重篤な副作用は、プラセボ群ではカタトニー1例および意識消失1例、40mg群では統合失調症2例、全身性強直性間代性発作1例、精神病性障害1例および精神症状1例、80mg群では統合失調症2例および自殺企図1例でした。投与中止に至った有害事象は、プラセボ群17例(8.9%)、40mg群16例(8.2%)、80mg群11例(5.7%)に認められ、2例以上に認められた事象は、プラセボ群では統合失調症11例、精神病性障害3例、40mg群では精神病性障害7例、統合失調症6例、80mg群では精神病性障害および統合失調症が各2例でした。

クイズ5

ロナセンテープの投与量に関する記述として、正しいのはどちらでしょうか?

  1. 40mgを1日1回貼付するが、患者の状態に応じて、初回から最大承認用量80mgを貼付することができる
  2. 初回は40mgから開始し、患者の状態に応じて最大80mgまで増量することができる

クイズ5の正解と解説開く

正解は 1.40mgを1日1回貼付するが、患者の状態に応じて、初回から最大承認用量80mgを貼付することができる

<解説>

ロナセンテープは、通常、成人には40mgを1日1回投与しますが、患者さんの状態に応じて最大承認用量の80mg/日から投与開始することができます。ロナセンテープの投与方法の例としてご覧のような用量調節が考えられます。

ロナセンテープ20mg/テープ30mg/テープ40mgの製品基本情報(適正使用情報など)

関連情報

統合失調症/ロナセンテープについてもっと知る