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糖尿病治療における腸内細菌の役割を考える
【座長】繪本 正憲先生(大阪公立大学 大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学 教授)
【演者】入江 潤一郎先生(関西医科大学 内科学第二講座 糖尿病科 診療教授)
近年、2型糖尿病において腸内細菌叢の構成と機能に偏りが存在し、そのため腸管内代謝産物に差異が生じ、病態に影響を与えていることが注目を集めている。腸内細菌を応用した治療開発が行われ、また既存の糖尿病治療の腸内細菌の観点からの評価も進んでいる。たとえば抗菌剤として知られるビグアナイドの一つ、メトホルミンは腸内細菌に影響を与えることが明らかにされた。他にもDPP4阻害薬をはじめ、複数の糖尿病治療薬が腸内細菌に影響することも示され、腸内細菌を共通の作用点として薬物が作用していると考えられる。また腸内細菌叢には個人差や民族差が存在することから、薬物の有効性にも影響していると推測される。糖尿病治療における腸内細菌の役割を、最近の知見を踏まえ本講演で考えたい。
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