リサイオ 悪性リンパ腫における国内拡大治験での安全性<本田誠也MR>

2022年03月02日配信 6分22秒

造血幹細胞移植前治療薬 リサイオの「悪性リンパ腫における国内拡大治験での安全性」についてバーチャルMRの本田誠也がご紹介いたします。

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 リサイオの効能又は効果、用法及び用量についてお示しします。


 国内で実施されました悪性リンパ腫を対象とした拡大治験における、安全性の成績をご紹介します。
 本試験におけるリサイオの用法及び用量は承認されたものと異なりますが、本剤の安全性注意喚起のための情報提供を行う上で重要な情報と考えられるため、ご紹介させていただきます。
 本試験は、悪性リンパ腫患者を対象に、自家造血幹細胞移植の前治療としてチオテパを静脈内投与したときの安全性と有効性を検討することを目的として実施されました。
 対象は、自家造血幹細胞移植を施行予定の悪性リンパ腫患者でした。


 本試験の投与方法についてお示しします。
 造血幹細胞移植施行日をDay 0 とし、プロトコール治療開始日から造血幹細胞移植施行前日までを前治療期、造血幹細胞移植施行日から造血幹細胞移植28日後までを移植期とし、予後調査は、造血幹細胞移植100日後の転帰が確認されるまで適宜行われました。
 チオテパは200mg/m2/日を造血幹細胞移植予定日の4及び3日前の2日間、2時間かけて静脈内に点滴投与され、ブスルファンは0.8mg/kgを6時間おきに1日4回、4日間(造血幹細胞移植予定日の8、7、6及び5日前)、2時間かけて静脈内投与されました。
 なお、リサイオの悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療での承認用法及び用量は、「ブスルファンとの併用において、通常、成人には、チオテパとして1日1回5mg/kgを2時間かけて点滴静注し、これを2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。」となっております。
 その点、ご留意いただきますようお願いいたします。


 評価項目は、安全性、骨髄抑制率、生着率、生着までの期間、造血幹細胞移植100日後の生存率でした。
 ここでは、主要評価項目である安全性についてご紹介いたします。
 安全性として、試験治療開始から造血幹細胞移植28日後までの有害事象、ECOG PS、身体所見と臨床検査が評価されました。


 患者背景をお示しします。
 55例が登録され、監査データが得られなかった3例、主治医判断による中止となった1例を除く51例にブスルファンとチオテパを投与後、自家造血幹細胞移植が施行されました。
 男性が66.7%、年齢中央値は54.0歳で、ECOG PSは0が58.8%、1が35.3%、2が5.9%でした。
 疾患タイプは、初発が52.9%、再発が47.1%でした。
 合併症は94.1%が有し、主なものは、便秘47.1%、高血圧症21.6%、不眠症および末梢神経障害が各19.6%、脂質異常症が11.8%でした。


 主な組織型は、中枢神経系原発悪性リンパ腫で、25例が含まれていました。
 それ以外の26例については、20例がびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫でした。
 また、26例の中にもCNS病変を有する症例が複数含まれていました。


有害事象についてお示しします。
こちらでは主な有害事象として、10%以上の患者で発生したものについて記載しています。
有害事象は全例で認められ、主なものは、発熱性好中球減少症96.1%、下痢82.4%、口内炎62.7%、悪心56.9%、食欲減退54.9%などでした。
死亡、投与中止、休薬、減量に至った有害事象は認められませんでした。


 なお、重篤な有害事象についても報告されています。
 移植後28日以内に重篤な有害事象が4例に認められました。
 内訳は、Grade 3およびGarde 4の肝中心静脈閉塞症がそれぞれ1例、Grade 4の肝機能障害1例、Grade 4のウイルス感染症が1例、Grade 3の低酸素症が1例でした。
 肝中心静脈閉塞症と肝機能障害については、いずれも試験終了時点となる移植後28日目までには回復に至りませんでしたが、予後調査期間中に、回復しました。
 ウイルス感染症と低酸素症については、移植後28日目までに回復しました。

リサイオ点滴静注液100mgの製品基本情報(適正使用情報など)