Vol.15 指導者の立場から(3)他職種と役割分担し専門性を発揮することが「改善」に結びつく

重症化予防においては一人一人の目標設定が大事

亀井 美和子

帝京平成大学/薬学部長

日本大学理工学部薬学科(現薬学部)卒業後、筑波大学大学院で経営学を修め、日本大学薬学部助手、講師を経て2006年より昭和大学薬学部教授、2010年より日本大学薬学部教授に就任、2020年から現職の帝京平成大学薬学部長を務めている。医療薬学・社会薬学を専門とし、糖尿病患者に対する薬局・薬剤師による介入など、薬学的ケア・介入に関する国内外での調査・フィールド研究を多数行っており、欧米における薬局・薬剤師業務にも明るい。薬学教育・研究に取り組む一方、日本薬剤師会では常務理事を務めている。

日本薬剤師会の常務理事でもある亀井美和子氏は、「私はずっと、薬剤師業務が社会にどう役に立っているのかをテーマに研究に取り組んできました。私が関わったアウトカム研究はいずれも、薬剤師の関わりが医療の質を向上させることを示しています」と話します。そして、「重要なことは薬剤師、他職種がどのように関わるか」だと指摘します。多くの薬剤師が様々な取り組みを進めていますが、実際にそのことがどう役に立っているが示されていないということは少なくありません。その結果、薬剤師業務・サービスが十分に評価されてこなかったとも言えます。多くのフィールド研究に携わってきた経験、欧米の薬局・薬剤師に関する多くの知見を踏まえ、アカデミアの立場から薬局・薬剤師による糖尿病患者介入の在り方についてお話しいただきました。

POINT.1

診察前の薬剤師面談によりHbA1c値は改善し、患者からも強い期待

POINT.2

「薬局」は具体的な食事、栄養、運動のアドバイスの場所