患者の4分の1が費用に関連したインスリンの過少使用を回答した。
一部のインスリン製剤の費用は3倍以上に上昇し、これに伴い自己負担額が上昇している。研究者らは、インスリンの処方を受けてきた糖尿病患者199人に、なんらかの費用削減行動(費用のために、処方量よりも少ないインスリンを使用する、インスリンの処方箋を調剤しない、インスリンを開始しない、など)を行ったか尋ねた。3ヵ月以内の血糖コントロールが評価され、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値9.0%以上を「コントロール不良」と定義した。
患者の4分の1が費用に関連したインスリンの過少使用を回答した。これらの患者は低収入と回答した割合が高かったが、費用に関する懸念を臨床家と話し合っていたのは低収入患者の60%にすぎなかった。血糖コントロール不良は、費用に関連した過少使用を回答した患者が、その他の患者よりも有意に多かった(43% 対 28%)。処方箋薬剤給付保険(prescription drug coverage)の種類は過少使用と関連していなかった。
CITATION(S)
Herkert D et al. Cost-related insulin underuse among patients with diabetes. JAMA Intern Med 2018 Dec 3; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2018.5008)
コメント
インスリンの高い費用により、多くの患者が必要量よりも少ないインスリンを使用するようであり、これが血糖コントロールがより不良になることに寄与している。臨床家は、患者に費用に関する懸念について事前に尋ねるべきであり、価格は低いが同様の効果があるインスリンレジメンに精通しておくべきである。例として米国の医療システムの1つは、最近、第一選択の基礎インスリンとして高価なインスリンアナログではなく安価なneutral protamine Hagedorn(NPH)インスリンを使用し、成功したことを報告した(NEJM JW Gen Med Aug 15 2018、JAMA 2018; 320:53)。