変形性膝関節症患者の長期疼痛管理

Long-Term Pain Control for Patients with Knee Osteoarthritis

バイアスのリスクが低い複数の研究で、グルコサミンのみが利益を示したが、それは小さかった。

変形性膝関節症の疼痛管理のガイドラインは広範囲にわたり、大半は短期アウトカムに焦点を絞っている。長期疼痛管理を、身体機能を副次的アウトカムとして評価するため、研究者らはネットワークメタアナリシスを行った。研究者らは、33の異なる薬物介入(鎮痛薬、抗酸化物質、骨に作用する薬物、関節内注射、非ステロイド抗炎症薬[nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs]、遅効性の対症療法薬、疾患修飾性とされる薬物など)が評価された、期間が1~4年のランダム化対照試験47件(患者総数22,000人)を評価した。

長期疼痛管理に統計学的に有意な改善がみられたのは、celecoxibと硫酸グルコサミンの2つの薬物のみであった。しかし、臨床的に重要な効果はいずれも最小限であった。研究者らがバイアスのリスクが高い研究を除外すると、celecoxibに疼痛に関する長期的利益は認められず、硫酸グルコサミンにはわずかな利益しか認められなかった。関節内betamethasone、sprifermin(開発中の遺伝子組換えヒト線維芽細胞成長因子)など一部の薬物の結果は、明らかにプラセボを支持した。硫酸グルコサミンは、身体機能に関して大きくはない長期的利益を示した。

コメント

著者らは、多くの薬物について、長期研究はわずかしか行われておらず、研究規模が小さいことを指摘している。他の薬物アプローチ(たとえば関節内ヒアルロン酸)の利益を示す研究は、大半が短期である。硫酸グルコサミンが長期的な利益をもたらすことについては、短期的な利益を評価した複数の試験の結果が否定的であったことを考慮すると、驚く読者もいるかもしれない。

CITATION(S)

Gregori D et al. Association of pharmacological treatments with long-term pain control in patients with knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. JAMA 2018 Dec 25; 320:2564. (https://doi.org/10.1001/jama.2018.19319)

Original Issue: Vol.39 No.3