敗血症に対するステロイドに関する追加情報

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1件のメタアナリシスは、28日死亡率に利益を認めたが、90日死亡率には認めなかった。

2018年に、ステロイドが敗血症性ショック患者に利益をもたらすかどうかを検討した2件の試験は、異なる結果を示した(NEJM JW Gen Med Jan 1 2019N Engl J Med 2018; 378:797, 809)。以前の系統的レビューやメタアナリシスでも相反する解釈が生じていたため、研究者らは、これら2件の試験の5,000人を超える患者のデータを加えることで、実態がより明らかになることを期待した。

新たなメタアナリシスでは、敗血症患者約10,000人を含む37件のランダム化試験が同定された。このうち18件に敗血症性ショック患者が含まれていた。大部分の試験で、比較的低用量のコルチコステロイド(たとえばhydrocortisone 200 mg/日)が使用されていたが、剤形や投与ストラテジーは大きく異なっていた。28日全死因死亡率は、ステロイドを投与された患者のほうが有意に低かった(26% 対 29%)。院内死亡率と集中治療室(intensive care unit:ICU)死亡率もステロイド群のほうが低かった。しかし、90日全死因死亡率に群間で差はなかった。ステロイドはショックからのより急速な回復を伴った。同様に、ステロイド群のほうがICU在室期間が短かったが、入院期間に差はなかった。

コメント

今回のメタアナリシスも、ステロイドが敗血症性ショック患者の死亡率を抑えるかどうかという問いに最終的な答えを出していない。28日死亡率はステロイドを投与したほうが低いが、その効果は90日の時点では持続していない。ステロイドは、ショックからのより急速な回復をもたらすため、患者をより早くICUから退室させるかもしれない。これらは考慮に値する妥当なアウトカムであり、不応性の敗血症性ショックの患者にステロイドを使用する私の診療の指針となる。

CITATION(S)

Fang F et al. Association of corticosteroid treatment with outcomes in adult patients with sepsis: A systematic review and meta-analysis. JAMA Intern Med 2018 Dec 21; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2018.5849)

Original Issue: Vol.39 No.3