ステージ3の慢性腎臓病を有する高尿酸血症患者において、febuxostatは腎機能に効果がなかった。
血清尿酸値と腎疾患との相互作用は複雑である。腎機能障害は高尿酸血症になりやすくするが、高尿酸血症もまた腎機能障害を増悪させるかどうかについては意見が分かれている。後者が正しければ、尿酸降下療法は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の進行を抑制するかもしれない(NEJM JW Gen Med Aug 15 2017、Ann Rheum Dis 2017; 76:1669、NEJM JW Gen Med Nov 15 2018、JAMA Intern Med 2018; 178:1526)。
この研究では、日本の研究者らが、無症状の血清尿酸値上昇(7~10 mg/dL)を有するステージ3のCKD(推算糸球体濾過量[glomerular filtration rate:GFR]30~60 mL/分/1.73 m2)の443人を、プラセボ投与または尿酸降下薬febuxostat(Uloric)投与にランダムに割り付けた。2年の追跡期間中、GFRの平均に群間で有意差は認められず、両群ともGFRの変化はごくわずかであった。尿酸値の平均は、febuxostat群では7.8 mg/dLから4.2 mg/dLに低下し、プラセボ群では変化がなかった。
CITATION(S)
Kimura K et al. Febuxostat therapy for patients with stage 3 CKD and asymptomatic hyperuricemia: A randomized trial. Am J Kidney Dis 2018 Dec; 72:798. (https://doi.org/10.1053/j.ajkd.2018.06.028)
コメント
比較的安定しているステージ3のCKDを有するこれらの高尿酸血症患者において、febuxostatによる血清尿酸値の相当な低下は、2年の投与期間中、腎機能に関して利益がなかった。高尿酸血症患者において、allopurinolやfebuxostatがCKDの「進行」に影響しうるかどうかを明らかにするには、おそらくより長期の研究が必要であろう。