意図的な減量後の体重維持

Weight Maintenance After Intentional Weight Loss

低炭水化物食は体重維持を促進する。

意図的に体重を減らした人の多くは、そのより低い体重を維持するのに苦労する。肥満に関する炭水化物‐インスリンモデルでは、高いglycemic loadにより血中のインスリン/グルカゴン比が上昇し、その結果、空腹感が増加し、エネルギー消費が低下し、体重が増加する。このモデルを検証するため、研究者らは、炭水化物と脂質の比率が異なる3種類の食事が、総エネルギー(kcal/日)消費に及ぼす効果を調査した。

研究者らは、成人164人(体格指数[body-mass index]25 kg/m2以上)を、高炭水化物、中炭水化物、低炭水化物(それぞれ炭水化物が60%、40%、20%)と、これらに反比例させた脂質(それぞれ脂質が20%、40%、60%)を含む3種類の食事群のいずれかにランダムに割り付けた。蛋白質の量は一定(20%)とし、総エネルギーは減量を維持できる量とした。20週間後、intent-to-treat解析は、中炭水化物食群と低炭水化物食群で総エネルギー消費が高いことを示した(平均で、それぞれ91 kcal/日と209 kcal/日)。低炭水化物食が総エネルギー消費の向上に及ぼす効果は、減量前のインスリン値が最高三分位に属していた人のサブグループでさらに大きかった。体重増加を促進するホルモンであるグレリンとレプチンの血中濃度は、低炭水化物食群で有意に低かった。

コメント

この試験では、より少ない炭水化物とより多い脂質の摂取は、蛋白質とエネルギーの摂取量が一定であれば、減量維持期のエネルギー消費をより高くした。これらの結果は、炭水化物‐インスリンモデルを支持しており、意図的に体重を減らし、その維持に苦労している患者に助言を行う際に役立つであろう。

CITATION(S)

Ebbeling CB et al. Effects of a low carbohydrate diet on energy expenditure during weight loss maintenance: Randomized trial. BMJ 2018 Nov 14; 363:k4583. (https://doi.org/10.1136/bmj.k4583)

Original Issue: Vol.39 No.3