透析を導入したMedicare患者の1年死亡率

One-Year Death Rate for Medicare Patients Starting Dialysis

65歳以上の患者では、約50%が透析導入後1年以内に死亡した。

U.S. Renal Data Systemによると、透析を導入した高齢患者(65歳以上)の腎不全による1年死亡率は約30%であるが、その登録には透析導入後すぐに生じた一部の死亡を除外しているのかもしれない。1件の新たな研究において研究者らは、高齢者における全国代表調査への回答とMedicare請求データを関連付け、1998~2014年に透析を導入した391人を同定した。70%が4つ以上の併存疾患を有し、23%が日常生活動作(activities-of-daily-living:ADL)に介助を必要としていた。

死亡率は、透析導入後1ヵ月の時点で23%、1年の時点で55%であった。補正後の解析では、ADLに介助を要すること、より高齢(85歳以上)であること、入院中の透析導入、4つ以上の併存疾患を有することが、1年死亡率がより高いことと関連していた。

コメント

この研究は、透析を導入した高齢患者の予後が、とくに超高齢者と疾病負担がより大きい患者で、これまで推定されていたよりもはるかに不良であるかもしれないことを示唆している。その情報は、透析導入に関する意思決定の説明に用いられるべきであり、透析を受けることを選択する患者が現実的な期待をもつ助けとなりうる。但し書きとして、この報告が、慢性腎不全が徐々に進行してその末期に透析を受けた患者と、急性腎不全で透析を受けた患者とを区別しなかったことをあげる。この2群では予後が異なるかもしれない。

CITATION(S)

Wachterman MW et al. One-year mortality after dialysis initiation among older adults. JAMA Intern Med 2019 Apr 22; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.0125)

Original Issue: Vol.39 No.11