人工膝関節全置換術後の入院中または外来クリニックでのリハビリテーションは必要か?

Is Inpatient or Clinic-Based Rehabilitation Necessary After Total Knee Arthroplasty?

在宅リハビリテーションは、10週と52週の時点で疼痛と機能の両方に対し同様に有効である。

米国では人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)の件数が増加しており、術後リハビリテーションの包括払いが増えている。このことから、リハビリテーションプログラムで選択しうる「環境」に注目が集まっている。このメタアナリシスで研究者らは、米国以外で行われたランダム化試験5件の患者752人(平均年齢68歳)で報告された疼痛と機能のアウトカムを解析した。各研究では、リハビリテーションが、入院中、外来クリニック、在宅のいずれかでTKA直後に開始された。在宅プログラムにはモニタリングあり・なしがあった。

10週および52週の時点で、移動能力(6分間歩行など)、可動域、疼痛、quality of life(QOL)のアウトカムは、リハビリテーションの環境にかかわらず同様であった。一部の評価項目は、在宅リハビリテーションでわずかに良好であった。

コメント

このメタアナリシスに含まれた研究の数と規模は大きくはないが、その知見は、TKA後のリハビリテーションを入院や外来クリニックで行う必要性に根拠がないことを示唆している。在宅プログラムは、体系化が不十分でモニタリングがないものでさえ、同様に有効なようである(とはいえ、在宅での社会的支援がない患者は、短期間の入院リハビリテーションが必要かもしれない)。

CITATION(S)

Buhagiar MA et al. Assessment of outcomes of inpatient or clinic-based vs home-based rehabilitation after total knee arthroplasty: A systematic review and meta-analysis. JAMA Netw Open 2019 Apr 26; 2:e192810. (https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2019.2810)

Original Issue: Vol.39 No.11