薬物療法が失敗した患者では、アブレーションのほうが抗不整脈薬治療よりもquality of lifeを改善する可能性が高いであろう。
心房細動(atrial fibrillation:AF)に対するアブレーション治療の標準的な適応は症状の改善である。アブレーションと抗不整脈薬治療とが比較された複数のランダム化対照試験では、アブレーションのほうが症候性AFのエピソードが少なかった。しかし、これがquality of life(QOL)の改善につながるかどうかはあまり明らかにされていない。スカンジナビアの多施設研究において、AFが6ヵ月以上持続し、薬物療法が失敗した患者155人(年齢範囲30~70歳;左室駆出率35%以上)が、アブレーションまたはさらなる抗不整脈薬治療にランダムに割り付けられた。
最適化された抗不整脈薬群では、8人がアブレーションにクロスオーバーし、43人が最初の新しい抗不整脈薬が臨床的に失敗した。標準化された質問票で評価されたQOLは、アブレーション群のほうが抗不整脈薬群よりも有意に改善した。AFの負担を含むほぼすべての副次評価項目も、アブレーション群のほうが有意に改善した。アブレーション群の約5%に尿路性敗血症が認められた。
CITATION(S)
Blomström-Lundqvist C et al. Effect of catheter ablation vs antiarrhythmic medication on quality of life in patients with atrial fibrillation: The CAPTAF randomized clinical trial. JAMA 2019 Mar 19; 321:1059. (https://doi.org/10.1001/jama.2019.0335)
コメント
通常、上室頻拍に対するアブレーション治療は生存期間を延長するためのものではなく、むしろQOLを改善するためのものである。AFはQOLを劇的に悪化させることがあるため、これをアブレーションのいちばんの適応とすべきである。今回の試験結果はこの枠組みをより強力なものにしている。