2型糖尿病患者では、HbA1cと重篤な低血糖との関係はU字型であった。
2013年に発表された研究は、2型糖尿病患者において、重篤な低血糖は、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が高値(9%超)でも低値(6%未満)でもみられる、いわゆるU字型の関係があることを示した(NEJM JW Gen Med Jan 15 2014、Diabetes Care 2013; 36:3535)。今回、別の研究グループがこの問題を検討した。
英国の研究者らは、重篤な低血糖で初回入院し、過去90日間にHbA1c検査を受けていた2型糖尿病患者304人を同定した。これらの症例は、年齢、性、糖尿病罹病期間、その他の関連する臨床特性でマッチさせた、低血糖で入院していない対照304人と比較された。HbA1c 7.0%と比較して、HbA1c 6%と9%では低血糖関連入院のリスクが過剰であった(オッズ比はともに1.5)。HbA1c 4.0~6.5%の範囲では、HbA1cが低値であるほど低血糖のリスクが高くなった。HbA1c 8.0~11.5%の範囲では、HbA1cが高値であるほど低血糖のリスクが高くなった(図参照)。
CITATION(S)
Zhong VW et al. Proximal HbA1C level and first hypoglycemia hospitalization in adults with incident type 2 diabetes. J Clin Endocrinol Metab 2019 Jun 1; 104:1989. (https://doi.org/10.1210/jc.2018-01402)
コメント
この研究は、2013年の先行研究と同様に、HbA1c値と低血糖とのあいだにU字型の関係があることを示した。HbA1c低値と低血糖との相関は、血糖コントロールが厳格すぎることを明確に示している。HbA1c高値と低血糖との相関は多因子による可能性が高く、内因的な血糖不安定性と、食事、運動、治療アドヒアランスが一定しないことが組み合わさっていることを示している。重要なメッセージは、臨床家はすべての糖尿病患者に、そのHbA1c値にかかわらず、一貫して低血糖について尋ねるべきであるということである。