超加工食品の摂取がより多いことは、心血管疾患と死亡のより高いリスクを伴う。
超加工食品(ultra-processed food:炭酸飲料、ソーセージ、チキンナゲット、キャンディ、即席スープ・即席麺など)は栄養価が低く、エネルギー密度が高い。最近の2件の研究が超加工食品の摂取が健康に及ぼす有害な影響を明らかにしているが、そのような食品の摂取は著しく増加している。
住民を基盤としたフランスの研究で、研究者らは、成人105,000人(平均年齢43歳、女性79%)における超加工食品の摂取と心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)との関連を検討した。多変量で調整後、最高四分位群では最低四分位群よりも、中央値で5年の期間中、全CVDリスクが25%高く、冠動脈疾患リスクが22%高く、脳血管疾患リスクが25%高かった。さらにスペインの前向き研究では、研究者らは大学卒業者2万人(平均年齢38歳)を検討した。追跡期間が平均で10年の時点で、超加工食品の摂取量が最高四分位群の参加者は、最低四分位群の参加者よりも全死因死亡のリスク(多変量で調整)が62%高かった。
CITATION(S)
Srour B et al. Ultra-processed food intake and risk of cardiovascular disease: Prospective cohort study (NutriNet-Santé). BMJ 2019 May 29; 365:l1451. (https://doi.org/10.1136/bmj.l1451)
Rico-Campà A et al. Association between consumption of ultra-processed foods and all cause mortality: SUN prospective cohort study. BMJ 2019 May 29; 365:l1949. (https://doi.org/10.1136/bmj.l1949)
コメント
これらの研究では、超加工食品の摂取はCVDと死亡の過剰リスクを伴った。この結果は生物学的に妥当である。その理由は、超加工食品は、ナトリウム、糖、脂肪を多く含み、食物繊維が少なく、高い血糖応答と、加工されていない栄養豊富な食品の摂取が少ないことを伴うためである。そして超加工食品は、添加物(亜硫酸塩など)や“neo-formed contaminants”[訳注:加熱により食品中に生成される汚染物質](アクリルアミドなど)を含む可能性があったり、健康への有害な影響のある物質(ビスフェノールAなど)で包装されていたりするかもしれない。