1件のメタアナリシスは16種類の栄養サプリメントと8種類の食事介入について取り上げている。
栄養サプリメントは、その多くが価値に関するエビデンスがほとんど、あるいはまったくないにもかかわらず、広く使用されている。このメタアナリシスには、16種類のサプリメントと8種類の食事介入の心血管アウトカムに対する影響について取り組んだ227件のランダム化対照試験が含まれた。
以下のサプリメントと介入に、有意な結果が認められた:
- 正常血圧患者の全死因死亡率は、減塩群のほうが10%低かった。
- 高血圧患者の心血管関連死亡率は、減塩群のほうが33%低かったが、統計的有意差は境界域で信頼区間は広かった(リスク比0.67、95%CI0.46~0.99、P=0.04)。
- ω-3多価不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid:PUFA)は心筋梗塞のリスクが8%低いことを伴ったが、エビデンスの確実性は低かった。
- 葉酸の摂取は脳卒中のリスクが20%低いことを伴ったが(確実性「低」)、カルシウム+ビタミンDの摂取は脳卒中リスクが17%高いことを伴った(確実性「中」)。
他のすべてのサプリメントと介入について、アウトカムは統計的に有意ではなかった。
CITATION(S)
Khan SU et al. Effects of nutritional supplements and dietary interventions on cardiovascular outcomes: An umbrella review and evidence map. Ann Intern Med 2019 Aug 6; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/M19-0341)
コメント
心血管死亡率と全死亡率に対する塩分制限の影響については、長年議論されており、この報告の減塩に関する知見は刺激的であるが、おそらく決定的ではない。ω-3 PUFAの結果は驚くべきものであるが、エビデンスの質は低かった。葉酸摂取の結果は、葉酸欠乏症の集団を対象とした研究により歪められているようであり、米国の葉酸強化食品はこの結果を意味のないものにするかもしれない。全体としてこれらの結果は、栄養サプリメントは概して心血管有害事象の予防にほとんど、あるいはまったく価値がないという現行の推奨を変えることはない。