オピオイド未使用の人たちに対する入院中のオピオイド投与は、3ヵ月の時点と1年の時点での外来でのオピオイド使用の継続につながった。
入院患者に対するオピオイド投与が外来での長期オピオイド使用と関連するかどうかは不明である。研究者らは、5年間の、Pennsylvania州の一医療システムにおける12の地域病院と大学病院で過去にオピオイドを使用したことがない(つまり、入院前の1年間に処方されていない)内科・外科入院患者約150,000人のあいだで、退院後の外来でのオピオイド使用について後ろ向きに評価した。
患者のほぼ半数が入院中にオピオイド投与を受けており、オピオイド投与前に非オピオイド鎮痛薬が使用されることは多くなかった(25%未満)。調整後の分析(手術後24時間以内のオピオイド投与を除外)では、入院中にオピオイド投与を受けた患者は、投与を受けなかった患者と比較して、3ヵ月の時点(6% 対 3%)と1年の時点で(8% 対 4%)外来でオピオイドを使用する割合が2倍高かった。
CITATION(S)
Donohue JM et al. Patterns of opioid administration among opioid-naive inpatients and associations with postdischarge opioid use: A cohort study. Ann Intern Med 2019 Jul 16; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/M18-2864)
Larochelle MR and Bohnert ASB. Opportunities to address first opioid prescriptions to reduce incident long-term opioid use. Ann Intern Med 2019 Jul 16; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/M19-1394)
コメント
この研究は入院患者のオピオイド投与率が高いこと、非オピオイド鎮痛薬の使用が限られていること、さらに入院中のオピオイド投与と外来での長期オピオイド使用との関連を示している。入院中にオピオイドを開始することの、現在大きな問題になっているオピオイド危機に対する寄与は比較的小さいのかもしれないが、入院患者のオピオイド適正使用支援プログラム(stewardship program)の開始を考えるときが来たのかもしれない。