1件の観察研究で、生検から3日以内のaspirinの服用は、出血性合併症の過剰なリスクと関連していた。
aspirinがどの程度、画像ガイド下経皮的針生検後に出血性合併症リスクを与えるかは不明である。この後ろ向き研究では、Mayo Clinicの研究者らがコンピュータ断層撮影(computed tomography:CT)または超音波ガイド下で放射線科医によって行われた経皮的生検30,000件の、直前のaspirinの使用に関する情報を含むデータベースを解析した。患者の26%が生検前の10日間以内にaspirinを服用していた。もっとも多かった生検の臓器は腎臓(37%)、肝臓(20%)、肺(10%)であった。
輸血や介入(放射線学的、内視鏡的、外科的)を必要とした出血性合併症は、全体で98人(0.3%)に発生した。しかし出血性合併症のリスクは、生検の0~3日前にaspirinの服用を中止した3,800人で0.6%、生検当日にaspirinを服用した約900人で1.9%であった。調整した解析では、aspirin使用に伴う出血リスクは、aspirinの使用なしと比べて、生検の0~3日前で有意に上昇した。針生検の4~7日前と、7~10日前のaspirinの中止は、出血性合併症とは関連しなかった。
CITATION(S)
Potretzke TA et al. Frequency of bleeding complications after percutaneous core needle biopsy and the association with aspirin usage and length of aspirin discontinuation. AJR Am J Roentgenol 2019 Jul; 213:211. (https://doi.org/10.2214/AJR.18.20366)
コメント
これらのデータは、内臓の経皮的生検前の2~3日以内にaspirinを服用した患者では、重大な出血性合併症のリスクはまれであるが、無視できないことを示唆している。針生検の約5日前にaspirinを中止することで、過剰なリスクを排除できるようである。正当な二次的予防のためにaspirinを服用している患者では、aspirinを服用しない5日間にaspirinの効果消失による血栓イベントが生じるリスクを定量化するのはむずかしい。そのような患者では、経皮的内臓生検の前にaspirinを中止するかどうかの決定は、臨床的判断に委ねられる。