慢性安定狭心症に対する鍼療法

Acupuncture for Chronic Stable Angina

鍼療法の対照試験1件では、狭心症エピソードの頻度と重症度が有意に低かった。

以前の複数の研究は、慢性安定狭心症患者は鍼療法から利益が得られることを示唆している。この中国で行われた研究は、これまでで最大のランダム化試験とされており、研究者らは慢性安定狭心症に少なくとも3ヵ月(週あたりのエピソード数の平均13件)罹患している患者404人(平均年齢62歳)を組み入れた。心筋梗塞、重症心不全、さまざまな不安定な心疾患やその他の慢性疾患の既往歴がある患者は除外された。

患者は次の4群に割り付けられた:専門家のコンセンサスに基づいた標準的な経穴への機械的・電気的鍼療法を受ける介入群、治療的ではない経穴への鍼療法か、刺激のない偽鍼療法を受ける2つの実対照群、待機リストに載る群。介入群と実対照群の患者は、経験豊富な認定鍼師による治療を週3回、4週間受けた。すべての患者がガイドラインに沿った薬物療法を受け、狭心症日誌をつけた。

16週の時点で、狭心症エピソードは、介入群ではベースラインに比べて1週あたり約8件減少したのに対し、他の3群では1週あたり2~4件の減少で、介入群と3つの対照群それぞれとの差は有意であった。狭心症の重症度も、介入群のほうが有意に低かった。介入群での有害反応は軽度であり、自然に軽快した。

コメント

鍼療法は、慢性安定狭心症患者に対する補助的手段として考慮できるかもしれない。しかしこれらの結果は、とくに鍼療法に詳しくそれを支持している患者集団に特異的なものであるかもしれず、また多くの場所で、高度に熟練した鍼師へのアクセスは限られている。

CITATION(S)

Zhao L et al. Acupuncture as adjunctive therapy for chronic stable angina: A randomized clinical trial. JAMA Intern Med 2019 Jul 29; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.2407)

Original Issue: Vol.39 No.18