骨粗鬆症治療は全死亡率に利益をもたらさない

Osteoporosis Treatment Confers No Overall Mortality Benefit

bisphosphonate投与により死亡率が低くなることが一部の研究で示唆されているにもかかわらず、1件のメタアナリシスはそれを支持しない。

bisphosphonateに関する一部の研究は、この薬物がより低い全死亡率と関連していることを示唆している。このメタアナリシスで研究者らは、患者102,000人を含む骨粗鬆症治療薬のランダム化対照試験38件(bisphosphonateの研究21件、選択的エストロゲン受容体モジュレーターの研究7件、副甲状腺ホルモンアナログおよびその他の薬物の研究10件)において、その利益を探索した。評価された研究の期間は最短で1年であった。

プールされた結果から、全死亡率への利益を示すエビデンスは観察されなかった。bisphosphonateの試験21件(参加者約45,000人)、zoledronateの試験6件(参加者約7,000人)に限定したサブアナリシスでも、死亡率への利益は認められなかった。

コメント

骨粗鬆症治療は、虚弱高齢者において重大な骨折(大腿骨近位部骨折など)後に生じることのある死亡を、予防するかもしれないと推測する人もいるだろう。しかし、そのような効果が存在するとしても、その効果は小さすぎて、比較的短期の研究をプールした解析では明らかにならない。

CITATION(S)

Cummings SR et al. Association between drug treatments for patients with osteoporosis and overall mortality rates: A meta-analysis. JAMA Intern Med 2019 Aug 19; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.2779)

Original Issue: Vol.39 No.18