総活動量と活動強度の両方について、用量反応関係が認められた。
身体活動と健康アウトカムとの関連に関するエビデンスの大部分は、自己報告による座位時間と身体活動に基づいている。このメタアナリシスで研究者らは、参加者36,383人(平均年齢63歳、女性73%)の個人レベルのデータを含む研究8件で、加速度計で測定した活動と全死因死亡との関連を明らかにした。加速度計は、活動強度を「1分間あたりの計数値」で測定し、総身体活動量と座位時間を「1日あたりの時間(分)」として測定した。
中央値で5.8年の追跡期間中、2,149人が死亡した。総活動量(多変量で調整)の解析では、第1四分位(もっとも少ない総活動量)の参加者で、全死因死亡のリスクがもっとも高かった。第2四分位、第3四分位、第4四分位の参加者ではリスクは有意に低かった(それぞれ46%、59%、66%低かった)。データを活動強度で層別化した場合も同様の結果が得られた。座位時間には、これとは逆に、少ないほどリスクが低くなる差が認められた。
CITATION(S)
Ekelund U et al. Dose-response associations between accelerometry measured physical activity and sedentary time and all cause mortality: Systematic review and harmonised meta-analysis. BMJ 2019 Aug 21; 366:l4570. (https://doi.org/10.1136/bmj.l4570)
Klenk J and Kerse N. Every step you take. Walk more and sit less: Even light exercise is linked to a lower risk of death. BMJ 2019 Aug 21; 366:l5051. (https://doi.org/10.1136/bmj.l5051)
コメント
この研究では、加速度計で測定した身体活動は、強度にかかわらずより低い全死因死亡リスクを伴った。実際的見地からみると、リスクの低下は、活動性がもっとも低い四分位と2番目に低い四分位とのあいだでもっとも大きく、その差は、1日にわずか60分間の強度の低い活動または5分間の強度の高い活動であった。最大のリスク低下は、1日に375分間の強度の低い活動時と24分間の強度の高い活動で生じた。しかしこの解析は、いくつかの併存疾患で統計学的な補正が行われたにもかかわらず、なんらかの交絡因子が残存する(一部には、死亡を早める医学的状態によって活動レベルが低くなった)可能性があると思われる。