ビタミンD補充は心血管リスクを変えない

Vitamin D Supplementation Doesn't Alter Cardiovascular Risk

研究者らは、21件のランダム化研究を含んだ最新のメタアナリシスから否定的な結果を報告している。

ビタミンD値と心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)との関係については、科学的な不確実性が残っている。そのうえ一部の心臓病専門医は、ビタミンD補充がCVDアウトカムを改善するだろうという前提で、ビタミンD欠乏症に関して患者をスクリーニングしている。2012年の米国の調査では、回答者の約19%がビタミンD(複合ビタミン剤中のビタミンDを除いて)を摂取していると回答し、使用が増加していることが示された。

研究者らは、心血管疾患予目的でのビタミンD補充の有効性が評価されたランダム化対照試験すべてのメタアナリシスを行った。著者らは、参加者83,291人(平均年齢65歳)を含む21件の試験を同定した。さまざまな試験で、cholecalciferolやビタミンDアナログなどのさまざまなサプリメントが使用されていた。CVDが主要アウトカムであった試験は4件のみであった。

1~12年の範囲の追跡期間で、ビタミンD補充は、全体でも(リスク比1.0)、検討されたどのサブグループにおいても、主要な有害心血管イベントに対して有意な影響を及ぼさなかった。またサプリメントは、心筋梗塞、脳卒中、心血管関連死、全死因死亡に対して、なんの効果も伴わなかった。

コメント

これまでで最善のエビデンスは、心血管リスクを低下させる目的でのビタミンD補充の使用を支持することがきでなかった。

CITATION(S)

Barbarawi M et al. Vitamin D supplementation and cardiovascular disease risks in more than 83,000 individuals in 21 randomized clinical trials: A meta-analysis. JAMA Cardiol 2019 Aug; 4:765. (https://doi.org/10.1001/jamacardio.2019.1870)

Original Issue: Vol.39 No.19