患者の3~5%で、卵管不妊手術後に妊娠が発生した。
避妊効果は、患者の避妊法の選択に影響を及ぼす重要な因子である。卵管不妊手術は、99%を超える避妊効果があると報告されているが(Obstet Gynecol 2019; 133:e194)、データの多くは1980年代のものである。2002~15年に実施された4つの期からなる米国の調査で得られた全国を代表するデータを用いて、研究者らは、閉経前の成人(年齢範囲15~44歳)における卵管不妊手術後の妊娠率を推定した。生殖補助医療による妊娠は除外した。
主な結果は以下のとおりである:
- 全体として、参加者4,184人で、卵管不妊手術後の最初の妊娠167件が自己報告された。
- 卵管不妊手術後の妊娠率は、この研究の4つの期のあいだで異なっており、最低率は2.9%(2006~10年)、最高率は5.2%(2013~15年)であった。
- 妊娠の約21%は異所性妊娠であった。
- 卵管不妊手術時の年齢は、避妊効果の強力な予測因子であった。この研究の4つの期全体で、10年間の予測妊娠確率は、35歳以上の参加者で0%、25~34歳の参加者で2~8%、25歳未満の参加者で4~13%であった。
- 実施された卵管不妊手術の型に関するデータは得られなかった。
CITATION(S)
Schwarz EB et al. Pregnancy after tubal sterilization in the United States, 2002 to 2015. NEJM Evid 2024 Sep; 3:a2400023. (https://doi.org/10.1056/EVIDoa2400023)
コメント
この研究で観察された卵管不妊手術の失敗率は検証が必要であるが、約5%という率は、経口避妊薬や避妊パッチなどのよく選択される避妊法での失敗率(約9%)よりも依然として低く、一部の患者には許容できるかもしれない。妊娠リスクを最小限に抑えることを望む患者は、失敗率が1%未満である、長時間作用する可逆的な避妊法の選択肢(インプラントおよび子宮内避妊器具)を好むかもしれない。