14日間のモニタリングはより多くの心房細動を検出したが、脳卒中または出血による入院率には影響しなかった。
心房細動(atrial fibrillation:AF)に対するスクリーニングとその後の適切な抗凝固療法は、脳卒中リスクの低下に有益であることをまだ示していない。この試験で研究者らは、14日間のパッチモニタリングが出血リスクを上昇させることなく脳卒中リスクを低下させるかどうかを評価した。
この試験は、米国のプライマリケア診療所から登録された高齢患者約12,000人(年齢70歳以上)を含んだ。参加者は、14日間連続の心電図パッチモニターによるスクリーニングまたは標準治療にランダムに割り付けられた。中央値で15ヵ月の追跡期間中、スクリーニングは、標準治療と比較してAF(30秒を超えて持続するエピソードが1回以上)の認識を改善し(5.0% 対 3.3%)、経口抗凝固療法の処方はスクリーニング群のほうが多かった(4.2% 対 2.8%)。しかし、脳卒中による入院の発生率は2群で同程度(1%未満)であり、入院を要する出血の発生率も同様(約1%)であった。
CITATION(S)
Lopes RD et al. Effect of screening for undiagnosed atrial fibrillation on stroke prevention. J Am Coll Cardiol 2024 Aug 29; [e-pub]. (https://doi.org/10.1016/j.jacc.2024.08.019)
コメント
著者らは、この研究はCOVID-19のパンデミック中に募集が困難であったため検出力が不十分であり、事象の発生数が予想よりも少なかった(さらなる検出力の低下につながった)ことを指摘している。著者らは確かに正しいが、より大規模な試験が統計学的に有意な利益を示したとしても、臨床的利益はほとんど得られないと思われる。臨床的にAFと診断され、デバイス上で長時間のAFエピソード(24時間を超える、またはCHADs-VAScスコアが高い場合はそれより短い時間で)が記録された患者のみが抗凝固療法による利益を得ることを、われわれはますます目にするようになってきている。