1件の大規模な観察研究において、偽陽性の結果を得た女性は、将来のスクリーニングをもう一度受ける割合が低かった。
40代でスクリーニングマンモグラフィを受け始めた女性の半数以上が、偽陽性の結果を少なくとも1回は経験する。偽陽性の結果は不安と苦痛をもたらし、追加の自己負担費用を発生させることがあるが、これらの問題はその後のスクリーニングに対する患者のアドヒアランスに影響を及ぼすであろうか?
米国の研究者らは、100万人の女性(年齢範囲40~73歳)に対し、マンモグラフィの結果がその後のスクリーニングを再び受けることにどのように影響するかを検討した。スクリーニング結果が真陰性であった患者の約77%が、9~30ヵ月以内にその後のルーティンのマンモグラフィを受けていた。対照的に、結果が偽陽性であった女性はその後のルーティンのスクリーニングを受ける割合が有意に低かった。マンモグラフィ上の異常を評価する追加の画像検査の呼び出し後の影響は小さかった(補正後の絶対差2%)が、短い間隔での追跡のための呼び出し(16%)や生検に呼び出されたあと(10%)では影響は大きかった。偽陽性の結果が複数回連続することは追跡スクリーニングへのアドヒアランスのさらなる低下を伴った。
CITATION(S)
Miglioretti DL et al. Association between falsepositive results and return to screening mammography in the Breast Cancer Surveillance Consortium cohort. Ann Intern Med 2024 Sep 3; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/M24-0123)
コメント
これらの結果は、偽陽性が、患者がスクリーニングを延期または中止するという、認識されていなかったその後の効果かもしれないことを示している。臨床家は、前もって偽陽性について患者に助言し、年1回のスクリーニングよりも偽陽性の発生率が低い2年に1回のマンモグラフィという選択肢を提示すべきである(NEJM JW Gen Med Jun 1 2024、JAMA 2024; 331:1918)。偽陽性後のスクリーニングへのアドヒアランスを注意深く見守ることは重要であり、とくに高濃度の乳腺に対する補足的な磁気共鳴画像検査など、偽陽性の発生率が高いスクリーニング検査を受ける患者ではそうである(NEJM JW Gen Med Oct 1 2024、JAMA Intern Med 2024; 184:1222)。