前立腺癌スクリーニングにおける生検の指針としてのMRI

MRI to Guide Biopsy Decisions in Prostate Cancer Screening

MRIの使用は、生検の減少と、臨床的に重要でない癌の診断の減少につながった。

磁気共鳴画像検査(magnetic resonance imaging:MRI)は、前立腺癌スクリーニングに組み込まれることが増えており、この最終的な目標はより少ない生検とより少ない過剰診断である。このスウェーデンの試験では、前立腺特異抗原(prostate-specific antigen:PSA)スクリーニング検査を受けた中年男性13,000人(年齢範囲50~60歳)が、以下の通り2群にランダムに割り付けられた:

  • 「MRI標的生検」群では、PSA高値(3~10 ng/mL)の患者はMRIを受け、疑わしい病変は生検を受けた。MRIが病変を示さなかった場合、生検は実施されなかった。
  • 「系統的生検」群でも、PSA高値の患者はMRIを受けたが、これらの患者は標準的な系統的生検(コア数10~12)に加えて、MRIで同定された疑わしい病変の生検を受けた。

生検を受けなかった、または生検が陰性であった患者は、特定の間隔で追加のスクリーニングのために来院し、各患者のランダム化されたプロトコールに従ってさらなる評価を行った。

中央値で4年の参加期間中、MRI標的群の患者は、系統的生検群の患者よりも、生検を1回以上受けた割合が有意に低かった(4% 対 9%)。前立腺癌の診断は、MRI標的群のほうが系統的生検群よりも少なく(2.8% 対 4.5%)、この差は主に、臨床的に重要でない癌が少ないことに起因していた(1.0% 対 2.4%)。治癒不可能と考えられる癌の診断は、MRI標的群で23人、系統的生検群で15人のみであった。

コメント

ここで記載されたようなMRIの使用により、平均で約4年の追跡期間中に、生検が減少し、臨床的に重要ではない癌の診断が減少し、明らかな臨床的不利益はなかった。重要な長期アウトカム(転移性疾患および死亡)に関する情報は、少なくともあと数年は入手できないであろうが、この研究はその間の診療に影響を及ぼすと思われる。

CITATION(S)

Hugosson J et al. Results after four years of screening for prostate cancer with PSA and MRI. N Engl J Med 2024 Sep 26; 391:1083. (https://doi.org/10.1056/NEJMoa2406050)

Original Issue: Vol.44 No.21