尿蛋白試験紙検査の結果で異常が認められた後の蛋白尿の定量分析

Quantitative Proteinuria Analysis Following Abnormal Result on a Urine Protein Dipstick

追跡率の低さは、臨床的に重要な蛋白尿を有する患者を同定する機会が失われていることを示唆している。

尿試験紙検査の結果で蛋白尿が認められた場合は、その後に定量的検査(例:尿中アルブミン/クレアチニン比[albumin-to-creatinine ratio:ACR])を行うべきである。2021年の米国の電子診療録の後ろ向き研究において研究者らは、試験紙検査の結果で異常(1+以上の蛋白と定義)が認められた後の追跡率を評価した。既知のアルブミン尿を有する患者、以前に定量的スクリーニングを受けたことのある患者、白血球エステラーゼまたは亜硝酸塩が陽性の患者の記録は除外された。

尿試験紙検査を受けた患者100万人のうち、13%で尿蛋白が増加していた。異常な結果が認められた患者のうち、その後の定量的検査を受けたのは6.7%のみであった。試験紙検査の結果が陽性であった後、蛋白1+の患者の36%および蛋白3+以上の患者の65%でACRの異常(30 mg/g以上)が認められた。

コメント

糖尿病または血清クレアチニン上昇を有する患者では、大部分の臨床家がアルブミン尿の初回スクリーニングとしてACRを実施する。対照的に、この研究における尿検査の大部分は、下部尿路症状などのほかの理由で実施された可能性が高い。しかし、慢性腎臓病の早期発見および治療の重要性を考慮すると、試験紙検査で偶然発見された蛋白尿を無視すべきではない。最後のポイントとして、この研究における試験紙検査での蛋白とACRの異常との相関の割合は、一般に予想されるかもしれないものよりも低い。これはおそらく、ACR測定が試験紙検査による検査から最長で1年も後に実施されたものもあり、同じ検体ではなかったためである。蛋白尿は経時的に変動することがあり、試験紙検査の陽性の程度はその検体の尿比重の影響を受ける。非常に濃縮された尿を使用すれば、試験紙検査は尿中蛋白排泄量を過大評価する(NEJM JW Gen Med Jul 1 2005Am J Kidney Dis 2005; 45:833)。

CITATION(S)

Xu Y et al. Shortfalls in follow-up albuminuria quantification after an abnormal result on a urine protein dipstick test. Ann Intern Med 2024 Oct 1; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/ANNALS-24-00549)

Original Issue: Vol.44 No.21