慢性蕁麻疹に対するmontelukast

Montelukast for Chronic Urticaria

この薬物を抗ヒスタミン薬に追加した場合、小さな利益が認められるかもしれない。

慢性特発性蕁麻疹は、再発する掻痒性膨疹、血管性浮腫、またはその両方が6週間を超えて持続するもので、人口の1~2%が罹患する。慢性特発性蕁麻疹は、マスト細胞受容体に対する自己抗体がメディエーター放出を誘発する、自己アレルギーまたは自己免疫性の皮膚疾患と考えられおり、通常はアレルギーの原因が同定されることはない。研究者らは系統的レビューを行い、第一選択の非鎮静性抗ヒスタミン薬にロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene-receptor antagonist:LTRA)を追加することが蕁麻疹の症状およびQOLを改善するかどうかを検討した。

研究者らは、コントロール不良の慢性蕁麻疹を有し、抗ヒスタミン薬に加えてLTRA(大部分がmontelukast)の投与を受けるか抗ヒスタミン薬のみを継続するかにランダムに割り付けられた患者3,300人を含む試験34件を同定した。著者らは、LTRAの追加は「おそらく蕁麻疹、掻痒、膨疹の重症度を改善し、QOLを改善するかもしれない」と結論付けたが、これらの効果は最小の臨床的に重要な閾値を満たさなかった。

コメント

この研究は、われわれが診療で見ていることを反映しており、LTRAが慢性特発性蕁麻疹の患者にもたらす利益は、あるとしても小さい。治療は、cetirizineなどの非鎮静性抗ヒスタミン薬の1日1回の投与から開始し、必要であればFDAに承認されている典型的な用量の4倍まで増量されうる。高用量の抗ヒスタミン薬に反応しない約50%の患者に対しては、一般に抗IgEモノクローナル抗体であるomalizumabが次の段階である。omalizumabが保険でカバーされない場合や患者の蕁麻疹が持続する場合、私は、famotidine、montelukast、または就寝時に鎮静性の抗ヒスタミン薬を追加することがあるが、効果は通常限定的である。

CITATION(S)

Rayner DG et al. Leukotriene receptor antagonists as add-on therapy to antihistamines for urticaria: Systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. J Allergy Clin Immunol 2024 Oct; 154:996. (https://doi.org/10.1016/j.jaci.2024.05.026)

Original Issue: Vol.44 No.22