低血糖の症状は持続血糖モニターでの測定値と相関するのか?

Do Symptoms of Hypoglycemia Correlate with Measurements on Continuous Glucose Monitors?

インスリン治療を受けている糖尿病患者では、低血糖がよくみられたが、通常は無症状であった。

低血糖の症状は、持続血糖モニター(continuous glucose monitor:CGM)で確認された低血糖と必ずしも相関するわけではない。症状とCGM測定値の不一致の頻度を推定するため、研究者らは、1型または2型糖尿病の管理にインスリンを使用している600人を登録した。参加者はCGMを装着し、低血糖症状を記録した。平均年齢は1型糖尿病患者で47歳、2型糖尿病患者で63歳であった。糖化ヘモグロビン(glycosylated hemoglobin:HbA1c)の中央値は約7であり、標準化された質問票によると、患者の約25%は低血糖をよく認識していなかった。

患者の大部分(84%)がCGMで検出された低血糖エピソード(血糖値54 mg/dL未満)を1回以上経験した。CGMで検出された低血糖の週あたりのエピソード数の中央値は、1型糖尿病患者で1.3回、2型糖尿病患者で0.3回であった。低血糖エピソードの約3分の2が無症状であった。患者が報告した低血糖エピソードのうち、CGMの測定値が低血糖に相当したのは57%のみであった。

コメント

測定された低血糖と低血糖の症状との不一致の程度は驚きであった。患者の約25%は低血糖をよく認識しておらず、このことが症状のない低血糖が頻回であることを説明するかもしれない。症状がなく軽度の低血糖と症状のある正常血糖の臨床的意義についてのさらなる研究が歓迎されるであろうが、今回の研究は、症状のない低血糖はインスリンを使用している患者でよくみられ、インスリンレジメンを調節する必要があることを示しているであろうことをよく思い起こさせるものである。ガイドラインは、インスリン治療を受けている糖尿病患者の低血糖をより的確に同定し、低血糖に対応するためにCGMを使用することを支持している(NEJM JW Gen Med Nov 1 2023Diabetes Care 2023; 46:e151)。

CITATION(S)

Divilly P et al. Relationship between sensor-detected hypoglycemia and patient-reported hypoglycemia in people with type 1 and insulin-treated type 2 diabetes: The Hypo-METRICS study. Diabetes Care 2024 Oct; 47:1769. (https://doi.org/10.2337/dc23-2332)

Original Issue: Vol.44 No.22