シフト交代時に入院患者の誤診を見つける

Catching Inpatient Diagnostic Errors at Change of Shift

引継ぎの病院総合医による鑑別診断の変更により、患者の3分の1で過誤が明らかになった。

多くの臨床家は、入院診療のシフト開始し患者の診療を引き継いだときに、鑑別診断を修正する。この修正が既存の診断の過誤を反映するのは、どのくらいの頻度であろうか?

1件の単一施設研究で、Chicagoの病院総合医(hospitalist)36人が、勤務週の2日目に電子質問票を受け取った。質問票はこれらの病院総合医が、自分の引継ぎ前に入院していた、ランダムに選択された患者(総患者数1,011人)の鑑別診断を変更したかどうかを尋ねるものであった。その後研究者らは、診断が変更された184症例を、誤診または害の有無について、妥当性の確認されている評価法(Revised Safer Dx Instrument)を用いてレビューした。

診断が変更された症例の32%で誤診が認められ、その半数は電子診療録からの情報の見逃しによるものであった。診断の見逃しでもっとも多かったのは感染症であり(27%)、次いで心血管疾患(25%)および神経学的病態(12%)であった。過誤の約17%(診断が変更された患者の5.4%)は、害を伴っていた。死亡に寄与したと考えられた過誤は1件のみであった。

コメント

過誤を修正すること、またはその帰結を予防することの第一歩は、それを見つけることである。この研究に基づくと、自分のシフト開始時に、診療録の慎重なレビューの後、患者の診断を変更することは、過誤が潜んでいることを意味するかもしれず、それを見つけ、対処し、そこから学ぶきっかけとなるであろう。

CITATION(S)

Astik GJ et al. Utilizing care transitions for diagnostic error detection in hospital medicine patients. Ann Intern Med 2024 Oct 22; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/ANNALS-24-00563)

Original Issue: Vol.44 No.22