経直腸的前立腺生検と経会陰的前立腺生検の比較

Transrectal vs. Transperineal Prostate Biopsy

1件のランダム化試験において、手技に関連した感染は、経会陰的アプローチのほうが少なかった。

前立腺生検は大部分が経直腸的に行われているが、このアプローチの欠点の一つは、直腸に定着している細菌が前立腺に播種されることによる感染である。近年、一部の泌尿器科医により、直腸粘膜ではなく洗浄された会陰皮膚を介する経会陰的アプローチが採用されている。

この米国の多施設共同ランダム化試験は、前立腺特異抗原(prostate-specific antigen:PSA)高値または触知可能な前立腺異常を有し、局所麻酔下で前立腺生検を予定されている男性742人を対象とした。患者は経直腸的生検(予防的抗菌薬投与あり)または経会陰的生検(予防的抗菌薬投与なし)のいずれかを受けた。主要アウトカムである生検後の感染が発生した患者は、経会陰群のほうが経直腸群よりも少なかった(感染0件 対 6件;P=0.02)。生検で前立腺癌が明らかになった患者の割合は両群で同様であった。

コメント

この研究の結果は、経会陰的生検による感染リスクのほうが低いことを示唆する観察データを支持している。経直腸的生検後の感染の絶対リスクは低いが、これらの患者は一般にルーティンのスクリーニングを受けている無症状の男性であることを念頭に置いておく必要がある。このような患者では、下流の診断検査の合併症を最小限に抑えることがとくに重要である。私がこれまでに患者を前立腺生検に紹介したとき、患者が生検の実施方法を尋ねることがあった。プライマリケア医は、経直腸的手技と経会陰的手技の両方を知っておくべきであり、理想的には紹介する泌尿器科医のアプローチを知っておくべきである。

CITATION(S)

Hu JC et al. Transperineal vs transrectal prostate biopsy—The PREVENT randomized clinical trial. JAMA Oncol 2024 Sep 19; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamaoncol.2024.4000)

Original Issue: Vol.44 No.22