喘息に対して依然としてalbuterolを単独で使用すべきか?

Should We Still Be Using Albuterol Alone for Asthma?

レスキューのための吸入ステロイド/albuterolまたは吸入ステロイド/formoterolの併用は、単剤療法よりも明らかに優れている。

albuterolは、数十年にわたって頼りとする喘息のレスキュー吸入薬であったが、喘息の増悪を予防しない。現在ガイドラインは、レスキュー吸入薬としてalbuterol+吸入コルチコステロイド(inhaled corticosteroid:ICS)、レスキュー吸入薬または維持および救援療法としてformoterol/ICSを推奨している。

50,000人を超える患者を含む27件のランダム化試験の系統的レビューにおいて研究者らは、短時間作用型β刺激薬(short-acting β-agonist:SABA;すなわち、albuterol[salbutamol]、terbutaline)を使用した患者における喘息のアウトカムを、ICS/SABAまたはICS/formoterolと比較検討した。もっともリスクの高い患者において、SABA単剤療法と比較して、ICS/formoterolは重度の喘息増悪の相対リスクを35%低下させ、ICS/SABAは相対リスクを16%低下させた。さらに、中等度のエビデンスは、リスクの高い患者において、ICS/formoterolはICS/SABAよりも増悪が少ないことを示唆した(相対リスク0.78)。ICS含有製剤は喘息コントロールを改善し、有害事象の過剰リスクはなかった。

コメント

現行のNational Asthma Education and Prevention Programのガイドラインは、依然としてステップ1の治療にalbuterolを推奨している(NEJM JW Gen Med Jan 15 2021JAMA 2020; 324:2301)が、Global Initiative for Asthma (GINA) guidelinesは、すべてのステップでalbuterolを外し、ICS/formoterolを支持している。残念ながら、これらの推奨にもかかわらず、米国の臨床家はその取り入れが遅れている。理由の一部は、臨床家の惰性またはガイドラインを熟知していないこともあるが、保険の保障範囲の問題でもある。私は、自分の患者が十分な保険に加入している場合は、GINAのガイドラインに従って、budesonide/formoterolをステップ1と2では必要時に、ステップ3~5では維持およびレスキュー療法として処方する。第2の選択肢であるalbuterol/budesonide(AirSupra)は現在、米国FDAに承認されており、ステップ1と2では単独の吸入薬として、またステップ3~5では上乗せのレスキュー吸入薬として使用できる。

CITATION(S)

Rayner DG et al. Inhaled reliever therapies for asthma: A systematic review and meta-analysis. JAMA 2024 Oct 28; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jama.2024.22700)

Original Issue: Vol.44 No.23