semaglutideは、プラセボと比較して変形性関節症を有する肥満患者の膝痛をある程度軽減した。
指導下での運動と食事療法による減量は、膝の変形性関節症(osteoarthritis:OA)に起因する膝痛を有する患者に対する第一選択の治療である。glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬による減量もOAによる疼痛を軽減するかどうかを明らかにするため、研究者らは、放射線学的に中等度の膝OA*を有するが糖尿病ではない肥満(体格指数[body-mass index]の平均が40 kg/m2以上)の患者400人で、企業が支援した試験を実施した。患者をsemaglutide(2.4 mg/週に漸増)またはプラセボにランダムに割り付けた。両群とも食事と運動に関するカウンセリングを受けた。
68週の時点で、標準化された100点の変形性関節症疼痛尺度における疼痛の改善は、semaglutide群のほうがプラセボ群よりも有意に良好であった(ベースラインスコアの平均71点から平均で42点 対 28点低下)。さらに、疼痛スコアが相対的に50%以上低下した患者の割合は、semaglutide群のほうがプラセボ群の患者よりも有意に高かった(65% 対 35%)。体重の減少の平均は、semaglutideが14%、プラセボが3%であった。semaglutide群ではより多くの患者が消化器系の副作用のために治療を中止した。両群とも、試験期間中の鎮痛薬の使用はより少なかった。
*X線写真上で重度の変化(大きな骨棘、顕著な関節腔狭窄、重度の硬化、明確な骨端部変形など)が認められた患者は、この試験から除外された。
CITATION(S)
Bliddal H et al. Once-weekly semaglutide in persons with obesity and knee osteoarthritis. N Engl J Med 2024 Oct 31; 391:1573. (https://doi.org/10.1056/NEJMoa2403664)
コメント
semaglutide、および推測されるにほかのGLP-1作動薬は、中等度~重度の疼痛があり、放射線学的に中等度のOAを有する肥満患者に対する薬剤の選択肢を拡大する。肥満患者とGLP-1作動薬の使用について話し合う際に、患者が膝OAも有する場合は、私は得られるかもしれないこの利益を含めるだろう。semaglutideが体重減少以外の機序で膝痛を軽減するかどうかは、まだわからない。