Dupuytren拘縮患者の治療

Treating Patients with Dupuytren Contracture

1件のランダム化試験のアウトカムは、collagenase注射よりも部分的筋膜切開術のほうが良好であった。

Dupuytren拘縮の進行は、手術、針による筋膜切開術、collagenase注射の3つの方法で管理することができる。2024年の1件のランダム化試験は、2年後では手術がcollagenase注射や針による筋膜切開術よりも優れていることを示した(NEJM JW Gen Med Mar 15 2024Ann Intern Med 2024; 177:280)。しかし、一部の患者は手術を回避したいと望む。今回、英国のランダム化試験が実施され、中等度のDupuytren拘縮(すなわち、限局した触知可能なコラーゲン拘縮索が中手指節関節または近位指節間関節の30度以上130度未満の拘縮を引き起こしている状態)の患者600人を対象にcollagenase注射と部分的筋膜切開術を比較した。

妥当性の確認されている手の健康に関する質問票(範囲0~100、スコアが高いほど不良)のベースラインスコアの平均は約34であった。治療後1年時点での平均スコアは、collagenase群のほうが部分的筋膜切開術群よりも高かった(18 対 12)ことから、この「非劣性」試験ではcollagenaseが筋膜切開術よりも劣っているようであることが示唆された。2年時点でも同様の結果が得られ、他動および自動伸展関節測定などの副次アウトカムについても同様の結果であった。合併症はcollagenase群のほうが有意に少なかった(1.8% 対 5.1%)。しかし、再介入に至る拘縮再発は、collagenase群のほうが有意に多かった(14.6% 対 3.4%)。

コメント

2010年に、Dupuytren拘縮の管理のためにcollagenase clostridium histolyticum(Xiaflex)が米国FDAによって承認された(NEJM JW Gen Med Oct 15 2009N Engl J Med 2009; 361:968)。ランダム化試験は手術がcollagenase注射や筋膜切開術よりも良好なアウトカムをもたらすことを示しているが、患者はなお、費用、利便性、手術リスクに関する懸念からcollagenaseを選択するかもしれない。

CITATION(S)

Dias J et al. Collagenase injection versus limited fasciectomy for Dupuytren’s contracture. N Engl J Med 2024 Oct 24; 391:1499. (https://doi.org/10.1056/NEJMoa2312631)

Original Issue: Vol.44 No.23