1件のプラセボ対照試験では、こむら返りの頻度はビタミンK2のほうが有意に低かった。
夜のこむら返りに対して、エビデンスに基づく利用可能な治療選択肢はほとんどない。この中国の試験で研究者らは、65歳以上の200人で、特発性の夜間のこむら返りの管理におけるビタミンK2(menaquinone)の効果を評価した。参加者には、登録前の2週間に2回を超えるこむら返りのエピソードがあったことを要件とした。医学的状況を有する人および筋痙攣に関連する薬物を使用している人は除外された。参加者は、ビタミンK2 180 μgまたはプラセボの毎日8週間の投与にランダムに割り付けられた。
夜間のこむら返りの頻度の平均は、実治療群のほうがプラセボ群よりも有意に低かった(エピソードが週1.0件 対 3.6件)。こむら返りの平均持続時間と自己評価による重症度も、実治療のほうがプラセボよりも減少または低下した。ビタミンK2に伴う有害事象は同定されなかった。
CITATION(S)
Tan J et al. Vitamin K2 in managing nocturnal leg cramps: A randomized clinical trial. JAMA Intern Med 2024 Oct 28; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2024.5726)
コメント
ビタミンK2はビタミンKの一種であり、肉、乳製品、卵に限られた量含まれ、安価なサプリメントとして広く利用可能である。複数のin vitro研究がビタミンK2の筋代謝への効果を示唆しているが、それが正確にどのようにして夜間のこむら返りを予防する可能性があるかについては不明である。ビタミンK補充は概して安全であると考えられており、World Health Organizationにより摂取量の上限は設定されていない。しかし、warfarinなどのビタミンK拮抗薬を使用している人では、ビタミンK補充は避けるべきである。この研究に基づくと、ビタミンK2は夜のこむら返りに悩まされている患者に提供できる魅力的な選択肢である。