若年成人における二次性高血圧

Secondary Hypertension in Young Adults

30代の患者は、より若年の成人に比べて二次性高血圧を有する割合が高く、このことはスクリーニングの推奨に差がある可能性を強調している。

二次的な原因を有する高血圧の割合は、研究された集団によって異なる。データは高血圧を有する成人の10%が二次的な原因を有していることを示唆するが、この割合は過小評価であると思われる。現在のAmerican College of Cardiology/American Heart Associationのガイドラインは、30歳未満の患者に対して高血圧の二次的な原因のスクリーニングを推奨している(NEJM JW Gen Med Dec 15 2017J Am Coll Cardiol 2018; 71:127)。この横断的研究で研究者らは、高血圧が確認され、フランスの高血圧の高次医療機関(referral center)で診察を受けた若年成人2,000人(年齢18~40歳)において、二次的な原因を有する割合の特徴を明らかにすることを目的とした。

主な結果は以下のとおりであった。

  • 二次性高血圧は患者全体の30%で認められた。とくに、30~40歳の患者は、18~30歳の患者よりも二次的な原因を有する割合が高かった。
  • 二次性高血圧は、女性、体格指数(body-mass index)が25 kg/m2以下の患者、糖尿病患者でより多くみられた。
  • 二次的な原因を有する患者のうち、半数を超える患者が原発性アルドステロン症を有し、20%が腎血管性高血圧を有していた。

コメント

高血圧の二次的な原因、とくに原発性アルドステロン症は、依然として十分に診断されていない。これは一部には、アルドステロン・レニン比を用いた現在のスクリーニングストラテジーは解釈が困難なことがあり(NEJM JW Gen Med Jun 1 2023J Clin Endocrinol Metab 2023; 108:1143)、感度にばらつきがあるためである(NEJM JW Gen Med Sep 15 2021J Clin Endocrinol Metab 2021; 106:2423)。それでもなお、二次的な原因の多くには標準的な第一選択治療とは異なる標的を絞った治療があるため、早期発見は不可欠である。リスクがある患者で二次性高血圧が同定され、速やかに治療されるようにするために、どの患者がスクリーニングされるべきかについて考えを広げるべきである。

CITATION(S)

de Freminville J-B et al. Prevalence and risk factors for secondary hypertension in young adults. Hypertension 2024 Nov; 81:2340. (https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.124.22753)

Original Issue: Vol.44 No.23