心原性ショックの患者の誰に早期死亡のリスクがあるか?

Which Patients with Cardiogenic Shock Are at Risk for Early Death?

臨床家は、高齢や併存疾患の影響を修正することはできないが、より低い死亡率に関連する早期の血行再建を提唱することはできる。

心原性ショックは致死的な状態であり、早期死亡率が50%を超えることを示す研究もある。心原性ショック患者の院内死亡率または30日死亡率に関連する因子を明らかにするため、研究者らは、患者250万人を含む160件の研究(大部分が後ろ向きコホート研究)のメタアナリシスを実施した。

早期死亡率の中央値は41%であった。早期死亡の確率がより高いことに関連するものには以下が含まれた:

  • 年齢75歳以上、悪性疾患、末梢動脈疾患の既往、慢性腎臓病、弁膜症、女性であることなどの患者因子
  • 院内および院外での心停止、左主幹部病変、左室駆出率30%未満、透析、機械的循環補助の必要性などの来院時の因子
  • 経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)後のThrombolysis in Myocardial Infarctionグレード3未満、血行再建の遅延、腎代替療法、機械的換気などの処置因子

より低い早期死亡の確率に関連する因子は、冠動脈バイパス術とPCIであった。大動脈内バルーンポンプ、機械的循環補助、強心薬を含むその他の高度治療は、生存とは関連しなかった。

コメント

この解析は主に、女性およびより多くの併存疾患を有する高齢患者は、心原性ショックにおける早期死亡のリスクがより高く、血行再建はより低い死亡率と関連することを確認するものである。この解析はまた、ランダム化試験の結果(例:NEJM JW Cardiol Aug 23 2023 [e-pub]、N Engl J Med 2023; 389:1286)、つまり心原性ショック患者において機械的循環補助はより良好なアウトカムと関連しないことを、確認するものでもある。私は、最適な治療を行っても早期死亡は依然としてリスクであることを認識して、これらのデータを用い、これらの患者において可能な場合は常に、早期の血行再建を引き続き推進するだろう。

CITATION(S)

Jung RG et al. Prognostic factors associated with mortality in cardiogenic shock—A systematic review and meta-analysis. NEJM Evid 2024 Nov; 3: EVIDoa2300323. (https://doi.org/10.1056/EVIDoa2300323)

Original Issue: Vol.44 No.23