バーチャルで行う早期の緩和ケアは、進行がんに対する選択肢であるか?

Is Virtual Early Palliative Care an Option for Advanced Cancer?

進行非小細胞肺癌患者のquality of lifeは、早期の緩和ケアのバーチャルでの提供と対面での提供とで同様であった。

ガイドラインは、quality of life(QOL)の改善のエビデンスを考慮して、進行がん患者に対する緩和ケアの早期統合を推奨している。しかし、アクセスと資源が限られているため、患者の大部分は早期の緩和ケアを受けていない。ビデオ受診で提供される早期の緩和ケアが選択肢となりうるかどうかを評価するために、研究者らは、進行非小細胞肺癌(non–small-cell lung cancer:NSCLC)患者とその介護者において1件の多施設共同試験を実施した。2018~2023年のあいだに、診断後12週間以内の患者1,250人が、疾患の経過を通して、緩和ケアの臨床家をビデオ受診または外来受診のいずれかで4週ごとに受診するようランダムに割り付けられた。

24週時点の自己報告によるQOLは、バーチャル群と対面群で同等であった。緩和ケア受診時に話し合われた話題は、2群で同様であった。抑うつおよび不安の症状や、治療目標や癌の治癒可能性についての認識に群間で差はなかった。しかし、介護者はビデオ受診よりも対面受診により多く付き添った。

コメント

進行がん患者は、がんを標的とする治療のための対面受診の負担が相当なものになる。この研究はバーチャル受診が緩和ケアのニーズを支援する有用な選択肢になりうることを示している。より多くの介護者がバーチャル受診よりも対面受診に参加したが、バーチャルモデルは、より多くの進行がん患者に対してより役立つように、緩和ケアの資源を拡大する助けになるかもしれない。

CITATION(S)

Greer JA et al. Telehealth vs in-person early palliative care for patients with advanced lung cancer: A multisite randomized clinical trial. JAMA 2024 Sep 11; 332:1153. (https://doi.org/10.1001/jama.2024.13964)

Original Issue: Vol.44 No.23