胸やけを有する患者を治療するためのvonoprazan

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この薬物の費用（卸売価格は平均で約750ドル／月）は、安価なプロトンポンプ阻害薬（proton-pump inhibitor：PPI）と比較したときに、vonoprazanが胸やけや食道炎の管理のどこに当てはまるのかという明らかな疑問を投げかけている。American Gastroenterological Associationは現在、「臨床診療アップデート」においてこの問題に取り組み、以下のとおり推奨している：

• 胸やけまたは非びらん性の逆流症を有する患者に対しては、費用と長期の安全性データがないことを考慮し、臨床家は通常vonoprazanを第一選択として使用すべきではない。特筆すべきことは、この適応症に関してはvonoprazanとプラセボ（PPIではない）が比較されていることである。
  
• 軽度のびらん性食道炎の患者に対しては、PPIとのランダム化比較が治癒率にほとんど差を示していないことから、著者らはここでもまた第一選択としてvonoprazanを使用しないよう推奨する。
  
• より重度のびらん性食道炎の患者に対しては、ランダム化比較はvonoprazanのほうがPPIよりもやや有効かもしれないことを示唆している。しかし著者らは、現在の費用を考慮すると、この適応症に対する第一選択としてのvonoprazanの使用は明確には正当化されないと考えている。
  
• 上記の各シナリオについて著者らは、1日2回のPPIによる治療に十分に反応しない選択された患者に対して臨床家はvonoprazanを使用できると述べている。
  

私の見解では、これらの推奨は理にかなっている。ほかのカリウムイオン競合型アシッドブロッカーが開発中であるが、米国でFDAに承認されたものはまだない。