脳卒中発症後4日以内に直接作用型経口抗凝固薬を開始することは、開始を遅らせる場合と同様のアウトカムをもたらした。
心房細動(atrial fibrillation:AF)患者の虚血性脳卒中後に抗凝固療法をいつ開始すべきかは、よくある問題である。いくつかのガイドラインは、出血性梗塞のリスクを最小限に抑えるために開始を遅らせること(脳卒中発症から10~14日後が典型的)を提案している。この英国の試験では、AFを有する虚血性脳卒中患者3,621人(平均年齢79歳)が直接作用型経口抗凝固薬(direct-acting oral anticoagulant:DOAC)の早期開始(脳卒中発症後4日未満)と遅らせての開始(発症から7~14日後)にランダムに割り付けられた。臨床家はいずれのDOACも処方することができた。
早期群および遅延群の参加者は、DOACによる治療をそれぞれ平均で3日時点および8日時点で開始した。DOACによる治療を開始する前に、患者の22%が静脈内血栓溶解療法を受け、7%が血栓除去術を受けた。主要アウトカムとした90日以内の虚血性脳卒中再発、症状のある脳出血、分類不能の脳卒中、体循環塞栓症の発生率は2群で同じ(3.3%)であった。症状のある頭蓋内出血は2群で同程度(早期群0.6%、遅延群0.7%)であり、大出血も同様(早期群1.0%、遅延群1.4%)であった。
CITATION(S)
Werring D et al. Optimal timing of anticoagulation after acute ischaemic stroke with atrial fibrillation (OPTIMAS): A multicentre, blinded-endpoint, phase 4, randomised controlled trial. Lancet 2024 Nov 2; 404:1731. (https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)02197-4)
コメント
この試験は、心房細動を有する虚血性脳卒中患者において4日以内にDOAC投与を開始することは安全なようであることを示している。各患者のタイミングの決定は、依然として個別に行われる必要があり、患者の年齢、併存疾患、脳の画像所見を考慮しなければならない。