終末期にがんはどのように管理されているか?

How Is Cancer Managed at the End of Life?

一部の腫瘍医は、ほかの腫瘍医よりもはるかに攻撃的である。

診療ガイドラインは概して、死期の近いがん患者に対して行われる化学療法は質の低い診療の特徴であると述べている。それでも、がん治療を控えたり中止したりする決定は周知のとおり難しいことであり、新しい抗がん薬が利用可能になることが、これらの決定をさらに複雑にしている。

米国の研究者らは、2012~2017年のMedicareのデータベースを解析して、肺癌、結腸直腸癌、乳癌、または前立腺癌で死期の近い患者17,600人(年齢65歳超)に対して腫瘍医960人が行った診療のパターンを探った。患者の大部分は白人(81%)で、診断時に進行がんを有していた。すべての患者が、管理医療(managed care)の部分を含まない従来のMedicareに加入していた。

人生最後の1ヵ月間に全身がん治療を受けることは、白人人種、既婚、がんのステージおよびグレードが早期であることと関連していた。これらの患者特異的な因子やその他の因子を制御すると、個々の腫瘍医の診療に劇的なばらつきがあることが明らかになった。「処方が多い医師」による治療を受けた患者は、「処方が少ない医師」による治療を受けた患者と比べて、終末期の全身がん治療を受ける割合が4倍を超えて高かった。処方が多い医師はまた、人生最後の1ヵ月間に患者を入院させる割合、およびホスピスへの紹介を疾患経過の晩期まで遅らせる(またはホスピスへの紹介をまったく行わない)割合も高かった。

コメント

エディトリアル執筆者らがいくらかの非難を込めて要約しているように、「担当の腫瘍医がたまたま誰になるかというだけで、患者の終末期の経験が大きく異なるかもしれない」。しかし、これに続く重要な問い、すなわちこれらの異なる経験が患者自身の希望や期待にどの程度合致しているかという問いについては、この研究では取り組まれていない。すべてのプライマリケア臨床家は、さまざまなコンサルタント医が非常に異なる診療を行うことを知っており、われわれは、可能であれば、同様の考えを持つ者に患者を誘導しようとすることが多い。したがってひょっとすると、終末期の経験がさまざまであることは不可避なのかもしれない。

CITATION(S)

George LS et al. Estimating oncologist variability in prescribing systemic cancer therapies to patients in the last 30 days of life. Cancer 2024 Nov 1; 130:3757. (https://doi.org/10.1002/cncr.35488)

Manz C and Wright AA. Oncologists’ role in end-of-life chemotherapy and patient-centered care. Cancer 2024 Nov 1; 130:3628. (https://doi.org/10.1002/cncr.35509)

Original Issue: Vol.44 No.24