減量は多囊胞性卵巣症候群の症状改善に有効か?

Is Weight Loss Effective for Improving Symptoms of Polycystic Ovarian Syndrome?

より強度の高い減量介入は月経頻度の改善につながったが、アンドロゲン過剰の症状は改善しなかった。

多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovarian syndrome:PCOS)のプライマリケア管理は、慢性的な無排卵の合併症の予防と、減量の奨励に重点を置いている。PCOSを有する女性の約50%が過体重または肥満であるが、減量によるPCOSの症状および臨床検査マーカーへの効果は依然として不明である。研究者らは、PCOS患者において、行動的介入(12件の研究)または減量薬(17件の研究)による減量の効果を調べたランダム化試験のメタアナリシスを行った。

減量介入により、平均で−3.8 kgの減量が得られ、これはインスリン抵抗性および遊離アンドロゲン指標の値がより低いことを伴った。月経頻度は有意に改善し、平均で年間2.6サイクル増加した。しかし、この程度の減量は、遊離テストステロン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、性ホルモン結合グロブリンの値をいずれも改善しなかった。また重要なことに、減量はアンドロゲン過剰の症状(例:ざ瘡、多毛症)を軽減せず、PCOSに関連するquality of lifeも改善しなかった。

コメント

PCOSに関するガイドラインは、PCOSを有する肥満の女性において、5%の減量を目標とすることを含む生活習慣介入を推奨している。特筆すべきことにこの解析では、達成された減量は全体的に大きくはなく、検討された減量薬は現在利用可能なもっとも有効な減量薬を代表するものではなかった。実際の診療で、私は症状の改善には少なくとも10%の減量が必要であることを見出している。この目標はしばしば困難であるため、これらの患者に補助的な減量薬を処方することが増えており、成功の事例が得られている。

CITATION(S)

Scragg J et al. Effect of weight loss interventions on the symptomatic burden and biomarkers of polycystic ovary syndrome: A systematic review of randomized controlled trials. Ann Intern Med 2024 Nov 5; [e-pub]. (https://doi.org/10.7326/M23-3179)

Original Issue: Vol.44 No.24