外来での抗菌薬の静脈内投与に望ましいカテーテルはどれか?

Which Is the Preferred Catheter for Outpatient IV Antibiotics?

14日以内の使用では、ミッドラインカテーテルは末梢挿入式中心静脈カテーテルよりも重大な合併症が少ない。

現在のガイドラインは、抗菌薬投与が14日以内に完了すると予想される場合には、末梢挿入式中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)よりもミッドラインカテーテルを推奨している(Ann Intern Med 2015; 163:Suppl:S1)。しかし、外来静注抗菌薬療法(outpatient parenteral antimicrobial therapy:OPAT)の使用が増加している状況で、このガイドラインを支持するエビデンスは限定的である。

研究者らは、2017~2023年にMichigan州の69の病院において、OPATを受けて退院した患者2,800人の後ろ向きコホート研究を実施した。大部分のカテーテルデバイスは、退院当日またはその前日に留置された。留置されたデバイス計2,800個のうち、2,000個がミッドラインカテーテル、800個がPICCであった。主要複合アウトカムの重大なデバイス合併症(カテーテル関連血流感染症、カテーテル関連静脈血栓塞栓症、上肢深部静脈血栓症、肺塞栓症)は患者44人(1.6%)に発生し、内訳はミッドラインカテーテル16人(0.8%)、PICC 28人(3.4%)であった。留置期間が14日以下の患者では、重大な合併症の頻度は、ミッドラインカテーテル群のほうがPICC群よりも有意に低く(補正ハザード比0.29)、留置期間がより長い患者では合併症発生率は2群で同程度であった。

コメント

この研究は、短期のOPATを必要とする患者にはPICCではなくミッドラインカテーテルが望ましいという、ガイドラインの推奨を強化するものである。臨床家はまた、どの抗菌薬またはそれ以外の輸液が、血管外漏出時に組織損傷を引き起こす可能性があるためにミッドラインカテーテルに適合しないかも知っておくべきである。適切なカテーテルを同定するためのエビデンスに基づく優れたリソースとして、MAGIC appがある。

CITATION(S)

Paje D et al. Midline vs peripherally inserted central catheter for outpatient parenteral antimicrobial therapy. JAMA Intern Med 2024 Nov 11; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2024.5984)

Original Issue: Vol.44 No.24