ガバペンチノイドは大腿骨近位部骨折リスクと関連している

Gabapentinoids Are Associated with Hip Fracture Risk

ガバペンチノイドを服用している高齢者では、大腿骨近位部骨折が30%多かった。

ガバペンチノイドは歩行障害、眠気、めまいを引き起こすことがあり、とくに高齢患者では転倒および骨折のリスクを上昇させるかもしれない。ガバペンチノイドと大腿骨近位部骨折リスクとの関連を評価するため、オーストラリアの研究者らは、関連付けられた診療録のデータベースを用いて、2013~2018年に大腿骨近位部骨折で入院し、ガバペンチノイド(症例の94%でpregabalin)の処方も受けていた患者約2,600人(年齢50歳以上)を同定した。

研究者らは症例クロスオーバーデザイン(すなわち、患者が時間の経過で自身の対照となる)を用いて、ガバペンチノイドへの曝露と大腿骨近位部骨折との時間的関係を検討した。併存疾患、関連する薬物の使用(例:ベンゾジアゼピン系薬、オピオイド)、ガバペンチノイド処方の経時的な増加で補正後、ガバペンチノイド使用中の大腿骨近位部骨折のオッズ比は1.3であった。慢性腎臓病患者のサブグループおよびfrailtyを有する患者のサブグループのオッズ比はそれぞれ2.4および1.8であった。

コメント

この研究はガバペンチノイドによって生じうる害に関して増加しつつあるエビデンスに加わるものである。この研究でpregabalinの処方率が高いことは、pregabalinがgabapentinよりもはるかに多く使用されているオーストラリアでの処方パターンを反映している。しかし、それらの同様の副作用プロファイルを考慮すると、gabapentinも大腿骨近位部骨折リスクと関連していると推測することは適切であろう。私はガバペンチノイドを処方する前に、鎮静および転倒のリスクの可能性を慎重に考慮する。今回の研究に基づいて、私は今後の患者との話し合いには大腿骨近位部骨折リスクを含めるだろう。

CITATION(S)

Leung MTY et al. Gabapentinoids and risk of hip fracture. JAMA Netw Open 2024 Nov 13; 7:e2444488. (https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.44488)

Original Issue: Vol.44 No.24