RSウイルスが外来患者のCOPD増悪を引き起こす頻度はどのくらいか?

How Often Does RSV Cause Outpatient COPD Exacerbations?

1件の観察研究では、外来患者のCOPD増悪の9%がRSウイルス感染によるものであった。

RSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)が外来患者の慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)増悪をどれくらい多く誘発するかは、RSVワクチンが最近利用可能になったことを考慮すると、興味深い疑問である。英国とオランダのこの前向きコホート研究において研究者らは、COPD患者377人を追跡し、外来患者のRSV関連のCOPD増悪の頻度と重症度を、ほかの感染によって誘発された増悪と比較して明らかにした。患者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック前の3年間に登録されモニタリングされた。303人が追跡を完了した。

COPD増悪310件のうち、9%がRT-PCRまたは血清抗体価の4倍の上昇によって検出されたRSVによるものであった。ほかによくみられた感染因子には、ライノウイルス、インフルエンザ、細菌が含まれた。ほかの感染性の原因と比較して、RSV関連のCOPD増悪は、持続期間が有意に短かったが、症状の重症度には差がなかった。

コメント

外来患者のCOPD増悪の原因を理解してそれを軽減することは、患者の入院を回避し、肺機能の慢性的な低下を予防するために不可欠である。これらの結果は、この非常に脆弱な患者集団においてCOPD増悪の予防に役立てるために、RSVワクチンを推奨することの重要性(NEJM JW Gen Med Sep 15 2024MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2024; 73:696)を補強するものである。

CITATION(S)

Wiseman DJ et al. Respiratory syncytial virus–related community chronic obstructive pulmonary disease exacerbations and novel diagnostics: A binational prospective cohort study. Am J Respir Crit Care Med 2024 Oct 15; 210:994. (https://doi.org/10.1164/rccm.202308-1320oc)

Baraldi F et al. The convoluted journey to unveil the respiratory syncytial virus in chronic obstructive pulmonary disease exacerbations: Old paths and new traces. Am J Respir Crit Care Med 2024 Oct 15; 210:967. (https://doi.org/10.1164/rccm.202403-0649ed)

Original Issue: Vol.44 No.24