COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種と逐次接種との比較

Simultaneous vs. Sequential Administration of COVID-19 and Influenza Vaccines

このランダム化試験は、いずれのスケジュールでもこれらのワクチン接種を受けた患者で、局所または全身の副反応に差がなかったことを示した。

患者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンとインフルエンザワクチンを受けても安全で、そうすることにより診療所や薬局への2回目の来院を省略することができるか尋ねることが多い。この比較対照試験で研究者らは両ワクチンに適格な患者335人(平均年齢33歳)を評価した。患者は、(1)mRNA COVID-19ワクチン+4価不活化インフルエンザワクチンの接種を(異なる腕に)受け、その1~2週間後にプラセボ注射を受けるか、(2)COVID-19ワクチン+プラセボ注射を(異なる腕に)受け、その1~2週間後にインフルエンザワクチンの接種を受ける群にランダムに割り付けられた。

初回投与後7日の時点で、患者は局所または全身の副反応あるいはワクチン反応に関する質問に回答し、各群で約28%が有害反応を報告した。2回目の投与後7日の時点での2群の返答も同程度であった(3%~5%)。健康関連quality of lifeの測定値は両群で同程度であり、その後4ヵ月間に、ワクチン投与に起因すると考えられる重篤な有害事象はいずれの群でも発生しなかった。

コメント

これらの結果は、臨床家が患者にmRNA COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種への安心感を与えるのに役立つかもしれない。初回投与後の副反応の発生率が2回目の投与後と比較して高いことは、おそらくCOVID-19ワクチンに対する反応を反映しているのだろう。この研究は、これらのワクチンが同時に接種された場合のワクチンの有効性を検討していないが、有効性が影響を受けないことを示したほかの研究がある。

CITATION(S)

Walter EB et al. Safety of simultaneous vs sequential mRNA COVID-19 and inactivated influenza vaccines: A randomized clinical trial. JAMA Netw Open 2024 Nov 6; 7:e2443166. (https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.43166)

Original Issue: Vol.44 No.24